グローバルK-POPファンが最も注目する年末音楽授賞式「MAMA AWARDS」が、2022年に続き2023年も日本で開催された。大阪から会場を初の東京ドームへと移行し、「2023 MAMA AWARDS」のため、韓国から多くの韓国アイドルや有名人が来日した。
2日目の29日、ホストを務めたのは今回で5度目となるパク・ボゴム。2015年にKBS 2音楽番組「ミュージックバンク」の司会を務めて以降、着実に大きなイベントのホストを担うようになり、2018年からは〝韓国のゴールデングローブ賞〟と呼ばれる「百想(ペクサン)芸術大賞」司会者の一人に抜擢される。
軍入隊中にも、自身の所属する海軍の式典で司会を務めていた彼の滑舌は、アナウンサーにみまがうくらいきれいで聞き取りやすい。今回のイベントでも、韓国語、英語、日本語を駆使しながら、安定したホストぶりを発揮した。
1日目の盛り上がりもさることながら、2日の場内も序盤から相当な熱量を帯びていたが、何より今夜の主役は、SEVENTEENだった。
もちろん、新人ながら新人とは思えぬ実力と人気で、大きな歓声を巻き起こしたZEROBASEONE(ゼロベースワン)やRIIZE(ライズ)、BOYNEXTDOORという新世代の台頭も目を見張るものがあった。
そしてBTSというグループが、映像だけでこんなにも人の心を突き動かすのかという、底知れぬ驚異的な人気も改めて思い知らされた。
それでもこの日、東京ドームという空間を大きく揺らしたのは、やはりSEVENTEENだった。それはメンバーの力だけではなく、来場していたCARAT(ファン名称)も含めて生み出されていた世界観のようにも感じられた。
SEVENTEENは授賞式に登壇したグループの中で、最後のパフォーマーとして登場。K-POP史上、最も事前予約された11thミニアルバム「Seventeenth Heaven」のタイトル曲「God of Music」と「Super(孫悟空)」のスペシャルステージを披露する。来場しているファンは、全員がCARATなわけではないにもかかわらず、彼らの歌声に対する客席からの呼応は、さながら単独コンサートの様相を呈していた。
12人のパフォーマンスは圧巻の一言で、デビューから9年という経験を武器にステージを所狭しと舞い踊る。まさに〝掌握〟という言葉がぴったりだった。それはただ人数が多いからという理由ではなく、メンバー全員が最高峰のポテンシャルを持った集合体であるからだろう。
それを証明するかのように、SEVENTEENは「2023 MAMA AWARDS」で5冠を達成。「bibigo CULTURE & STYLE Award」から始まり、「Worldwide Fans' Choice」「Best Dance Performance Male Group」「Best Male Group」と、2日連続で受賞者に名を連ねた。4冠までは、晴れ晴れとした笑顔でファンやスタッフに感謝の気持ちを伝えていた12人だったが、授賞式の最後を締めくくる大賞「SAMSUNG Galaxy Album of the Year」で、SEVENTEENの「FML」が読み上げられると、メンバーは円陣を組んで喜びをかみしめ、涙を見せた。
そしてそこには、負傷により活動を休止している統括リーダーのS.COUPS(エスクプス)の姿が。トロフィーを受け取り、目を真っ赤にしながらマイクの前に立ち「SEVENTEENとして活動しながら、一生に一度(大賞が)もらえるだろうかと、何度も考えました。でもCARATのおかげで、こうして賞を受け取ることができてとても幸せです。本当にどうもありがとう」と感謝の思いを口にした。
ジョンハンは日本語で「賞をいただくたびに、本当に信じられない気持ちになります。とっても幸せです。SEVENTEENがつらかった時、CARATの皆さんが応援してくれたことがとても力になりました。一緒に積み重ねて来た努力が実を結んだと思います。この賞を、CARATの皆さんにささげたいです」と言い、ファンを歓喜させた。
メンバーに促されるようにマイク前に立ったウジは、涙をこらえながら「ここまで本当に、あまりにも長い道のりだったから、なんだか不思議な気分です」と言い「僕らはデビュー当時から、たくさん後ろ指を指されたグループでした。〝絶対成功しない〟と。僕らの目の前でみんなが〝おまえたちは人数が多すぎてダメだ〟と言いました」と悔しさをにじませた。そして「CARATに約束します。最後まで頑張って、良い音楽を皆さんにプレゼントする、そんな良いチームであるよう努力します」と誓った。
最後にスングァンが「最後に僕も一言いいですか」と言い、「大賞をもらったのが初めてだから」と笑顔を見せた。「『MAMA AWARDS』のステージを準備しながら、共演した他のグループのステージを見て、たくさん学ぶことがありました」「この言葉を言っていいのかわかりませんが」と一呼吸置いた後に「僕らのチームを愛して応援してくれた、僕の友人ムンビンへありがとうと伝えたいです」と、4月に突然この世を去った、ASTRO(アストロ)メンバーのムンビンさんへ感謝を贈った。
ムンビンさんとスングァンは、1998年生まれの親友としてファンの間でも知られており、ムンビンさんの悲報が伝えられたあと、スングァンは体調を崩し、一時休養期間に入るほどその悲しみは計り知れないものがあった。
こうして2日間にわたり行われた、韓国音楽の祭典が大盛況のうちに幕を閉じたのだが、改めてK-POPの勢いとその実力を実感する2日間となった。
<『2023 MAMA AWARDS』受賞者は以下の通り>※授賞式順
▼bibigo CULTURE & STYLE Award
Street Woman Fighter2、SEVENTEEN
▼Worldwide Fans' Choice
TOMORROW X TOGETHER、BTS、ZEROBASEONE、ENHYPEN、イム・ヨンウン、ATEEZ、NCT DREAM、Stray Kids、SEVENTEEN、TWICE
▼Favorite New Artist
RIIZE、ZEROBASEONE
▼Favorite Asian Male Group
INI
▼Inspiring Achievement
東方神起
▼Galaxy Neo Flip Artist
TREASURE
▼Favorite International Artist
YOSHIKI
▼Favorite Asian Female Group
Kep1er
▼SAMSUN Galaxy Worldwide Icon of the Year
BTS
▼Best New Male Artist
ZEROBASEONE
▼Best New Female Artist
tripleS
▼Best Dance Performance Male Group
SEVENTEEN「Super」
Best Dance Performance Female Solo
JISOO(BLACKPINK)「FLOWER」
▼Favorite Dance Performance Male Group
TREASURE
▼Favorite Global Performer Female Group
(G)I-DLE
▼Best Vocal Performance Group
AKMU「Love Lee」
▼Best Male Group
SEVENTEEN
▼Best Vocal Performance Solo
パク・ジェジョン「Let's Say Goodbye」
▼Favorite Global Performer Male Group
ATEEZ
▼Best Female Artist
JISOO(BLACKPINK)
▼Best Dance Performance Male Solo
JUNG KOOK(BTS)「Seven(feat.Latto)-Clean Ver.」
▼Best Collaboration
JUNG KOOK(BTS)「Seven(feat.Latto)-Clean Ver.」
▼Best Female Group
NewJeans
▼Best Dance Performance Female Group
NewJeans「Ditto」
▼Best OST
BTS「The Planet(アニメ「BASTIONS」OST)」
▼Best Rap & Hip Hop Performance
Agust D 「People Pt.2(feat.IU)」
▼Best Music Video
JISOO(BLACKPINK)「FLOWER」
▼SAMSUNG Galaxy Song of the year
NewJeans「Ditto」
▼Favorite Dance Performance Female Group
LE SSERAFIM
▼Best Male Artist
JIMIN(BTS)
▼SAMSUNG Galaxy Artist of the Year
NewJeans
▼SAMSUNG Galaxy Album of the Year
SEVENTEEN「FML」