読売テレビは28日、同社制作局所属の40代男性管理職社員が、飲食費用等を番組制作会社に「追加演出費」名目で同社に水増し請求させた上で、自らに現金で還流させていたことを発表。同社員を28日付けで懲戒解雇処分とし、同社員が担当していた音楽番組「カミオト夜」は年内で休止となる。
同社によれば、今年7月、同社制作の音楽番組「カミオト夜」(関西ローカル)の経費が毎月の予算を大きく上回る状態が続いたため経理局が精査。その結果、同社員が番組を担当した期間に番組制作会社から「追加演出費」名目で多額の請求が続いていたことが発覚したという。
聞き取りの結果、同社員が飲食した際の領収書を月ごとにまとめて番組制作会社に渡し、その制作会社が合計額を番組の「追加演出費」に上乗せして請求、一方で社員はその制作会社から領収書の合計額と同額を現金で受け取っていたことが判明したという。不正期間は3年3カ月(2020年4月~23年6月)で、不正総額は約877万円にのぼるという。
加えて、同社員は「追加演出費」名目の請求に対価性が不明瞭な「プール金」を含めさせたり、同じく対価性が不明瞭な「追加撮影費」名目の請求をさせるなどして読売テレビに支払わせており、この総額約506万円にのぼるという。
同社員は「新型コロナで飲食禁止になったが社外関係者との飲食が重なり、会社では精算に困り(番組制作会社に)相談した。会社で精算できない内容のものもあった」などと話しているという。
これを受けて、同社員が担当していた「カミオト夜」は年内で休止。同社は「社員がこのような不正行為を行い、関係者ならびに視聴者の皆様の信頼を裏切る結果となりましたことを、心から深くお詫びいたします。また引き続き、過去に同様の事例がなかったか調査を行うとともに、社内のチェック体制を強化し再発防止に努めてまいります」とコメントした。