フランスのオークションで、ヴィンテージのシャネルのイブニングコートが31万2000ユーロ(約5000万円)で落札された。20日(月)の夜、ソーシャライトの ムーナ・アユーブ氏が所有する同ハイブランドの膨大なコレクション全252点がパリのパヴィヨン・ガブリエルで落札、150万ユーロ(約2億4500万円)の値がついた。
ファッションデザイナーの故カール・ラガーフェルドによる同イブニングコートは、創業者のガブリエル・ココ・シャネルが大切にしていたコロマンデルの屏風を模した刺繍がアトリエ「ルサージュ」により施されている。
シャネルの1996年秋のオートクチュール・コレクションでお披露目された同コートは、ミラノのスカラ座でオペラ鑑賞をした時に一度着ただけとアユーブ氏は説明した。
他にも、ドレス、スーツ、靴、ジュエリー、ベルト、モデルのシャローム・ハーロウがかつてランウェイで着用していた足首まであるポニーテールのウィッグなどが出品された。
アユーブ氏は先週、これらのアイテムが自分に合わなくなったので売ることにしたと明かし、 「カールを知らず、カールのオートクチュール作品を所有する機会がなかった若い世代に、私のように所有し、着用し、愛してもらいたいのです」とWWDに語った。
同氏は同コレクションを大切に扱い、すべて美術館並みの保管状態で保管、オークションの収益の一部は、女性に対する暴力に立ち向かい女性の権利と自由を擁護する財団フォンダシオン・デ・ファムに寄付する予定だという。