4月9日に投開票された埼玉県議選の当選を無効とされた日本維新の会の中村美香県議(36)が、同県選挙管理委員会に決定取り消しを求めた訴訟の判決で、東京高裁(増田稔裁判長)は16日、中村氏の請求を棄却した。
中村氏は双子の妹の中村梨香氏(36)とともに、姉妹で「フリー素材アイドル」として活躍。同県議選に姉妹そろって立候補し、姉の中村氏は当選。日本維新の会初の埼玉県議会の議席を獲得したが、公職選挙法が定める「県内同一市町村で3カ月以上の居住実態」がなかったとして、県選管が7月13日、当選無効を決定。中村氏側は決定を不服として、東京高裁に提訴していた。
訴状などによると、中村氏は10月2日に都内から同県三郷市の父親宅に転居したと主張。父親宅での居住を含めれば、2月1日の草加市への転居までに居住条件を満たしていたと訴えていた。中村氏は、判決後にX(旧ツイッター)に「居住実態を証明するGPS等の証拠書類を新たに提出し、高裁で判断を仰いでおりましたが、主張は認められず残念です」と投稿した。
さらに、実家のある埼玉県三郷市に4カ月以上住んでいたとし「そのあと草加市に移り住みました。しかし、三郷市の実家での居住が認められていない次第です。育った埼玉県に報いたい気持ちでいっぱいですが、お騒がせしてばかりで心苦しいです」と地元愛を強調した。
中村氏は最高裁に上告でき、判決が確定するまでは県議の身分を失わないが「本判決に対する最高裁判所への上告申し立てに関しては、代理人弁護士とも相談したうえで、検討してまいります」とした。