マンションの一室から外出した男性は、不穏な影を感じ、エレベーターの中で恐怖を抱きはじめる。見えない影に追われる恐怖でエレベーターの中でへたり込むんだ瞬間、その正体と対峙してしまう……。セリフを排した珍しいストーリーの中で、徐々に恐怖を増幅させる新感覚ミステリーホラー作品──『ストーカー』
漫画の専門学校卒業後、漫画家のアシスタントで腕を磨いたワサイさん(@19b6ex8qGIBSign)がエックス(旧Twitter)で発表した『ストーカー』が、好評を博している。セリフを一切入れず、画力だけで押し切ったこの作品は、読者から「画力が凄い……」「少しずつ恐怖がこみ上げてくる」と続々と評判を集めている。
そこで今回は、この新感覚ミステリーホラー作品を描いたワサイさんにインタビューを敢行。創作のきっかけから読みどころまでを語ってもらった。
昔から好きだったホラーは、すんなり描けた
新たなミステリーホラーとして読者を魅了するワサイさんの作品は、どのようなきっかけから生まれたのだろうか。ワサイさんは、スランプから脱した作品だったと当時を振り返る。
「ずっと漫画を描けない時期が続いていたとき、ふと昔から好きだったホラーに挑戦してみようと思いました。もともと仕事中に、怪談などを聴いていたので『これなら、大丈夫かな』と考えて描いてみると、思いのほか、すんなりと描けましたね」
セリフがなくても圧倒的なインパクトを残したこの画力については、アシスタント時代の修練が役立ったという。
「アシスタントになると、これまでに描いたことがないような絵をどんどん描くようになります。人の作品なので、少し『面倒だな』と思うときもありましたが、そんなときも手を抜かず、一生懸命描いてきたからこそ、そのような画力が身についたのかもしれません」
また、ワサイさんは絵の魅力に加え、コマ割りにも注力したと話す。映像作品のようなカット割りや流れを意識したことで、より絵の魅力が際立つ作品となった。
ミステリーホラーに新たな境地を切り開いたワサイさんは、今後も変わることなく、「ホラーやSFを中心に創作を続けていきたい」と最後に語ってくれた。新たな表現に挑戦するワサイさんは、これからどのような作品を描くのか。注目していきたい。
<ワサイさんInformation>
■エックス(旧Twitter)/
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