第7戦までもつれた日本シリーズは阪神がオリックスを4勝3敗で下し、1985年以来38年ぶりの日本一に輝いた。X(旧ツイッター)では、阪神ファンだった天国の祖父に向けた、孫の温かい気遣いが話題を呼んでいる。
高校2年生の皇城模型-sumeragimodel-(@ft_Ssetsuna)さんは阪神が日本一を決めた5日、「天国の祖父よ…次勝った時飲むって言ってたよな…仏壇に置いとくね」とつづり、ウイスキー瓶の写真を投稿。720ミリリットルのブレンデッドウイスキーで、「HANSIN Tigers 1985 V セ・リーグ優勝」の文字とユニホームを想起させるタテジマ模様が描かれたラベルが貼られている。三楽株式会社(現メルシャン)が阪神の優勝を記念して製造し、祖父が大切に取ってきた〝お宝〟だ。
エモーショナルな投稿に感動の声が続出。「探偵ナイトスクープの感動回を見たような、胸がほっこりする気持ち」「私もこないだ亡くなった阪神ファンのばあちゃんの写真とともに優勝を見届けました」「あれ、目から汗が…」「泣けてしまいます」「天国まで届いてますね 六甲おろし歌ってるかも」などのコメントが寄せられ、7日までで2万超のリポスト、10.6万超の「いいね」が寄せられている。皇城模型さんは反響の大きさについて「やっぱりうれしいですね。形がどうであれ何万人の方から反応をもらえることなんて初めてなので驚きもあります。みなさんいろいろと思ってくださりありがたいです」と感謝した。
皇城模型さんはそこまで野球に関心があるわけではないというが、祖父とは物心がついたときにテレビで一緒に阪神の試合を見ていた思い出がある。日本一の瞬間はいとこ、祖母を含め、家族で見届けた。「弟が少し野球に興味がありますが両親や祖母は祖父の影響で見守ってた感じでファンってわけでもないですね。自分はJoshinの割引に期待をしながらみてましたが特に知識がなくとも楽しく見られました」と振り返った。
38年ぶりの日本一。待ち望んだ歓喜の瞬間を天国の祖父はどんな気持ちで迎えただろうか。「やはりうれしがってると思いますよ。長年阪神が勝つのを楽しみにしていたと思います」と予想した皇城模型さん。「ただウイスキーが飲めないことを少し心残りしてると思います」と笑顔で語った。記念ウイスキーは開けられなかったが、きっと今ごろ、天国で勝利の美酒に酔いしれているだろう。