アジャコング貫禄、ハードコア乱戦制し「お前バカだろ。オレもバカなんだよ」DASH・チサコたたえる

山本 鋼平 山本 鋼平
DASH・チサコを下し、勝ち名乗りを受けるアジャコング=後楽園ホール
DASH・チサコを下し、勝ち名乗りを受けるアジャコング=後楽園ホール

 センダイガールズ(仙女)の後楽園ホール大会が5日に行われ、DASH・チサコがアジャコングとのハードコア戦に挑んだ。凶器が乱れ飛ぶ一戦は17分7秒、裏拳からの片エビ固めで3カウントを許したが奮闘。レジェンドから「お前バカだろ。オレもバカなんだよ」と認められた。

 高さ2メートルのラダー(脚立)、一斗缶、長机、パイプ椅子、アルミバケツが整えられたリングで両者は対峙。チサコはイス攻撃で先制し、場外戦ではイス攻撃と観客席の段差を生かしたフットスタンプで勢い付いた。

 リング上のラダー頂上から約3メートル、場外の長机ごと破壊するボディプレスを発射。続けてアジャの体にイスを重ね、ラダーからフロッグ・スプラッシュを仕掛けるも誤爆となって流れを手放した。ラリアート、ハンマーパンチで自由を奪われ、下に一斗缶を敷き詰めた長机ごと雪崩式ブレーンバスターで大ダメージを負った。最後は説得力抜群の裏拳で力尽きた。

 勝ち名乗りを受けたアジャは「チサコ、お前バカだろ。オレもバカなんだよ」とマイクを切り出した。歓声と拍手の中で「世の中バカがいないと面白くないからな。こんな面白いことはないよな。痛い思いしてプロレスやっているのに、なお痛いことをするんだから。オレもお前も立派なバカだ。でもこのバカは、これからも続くぞ」とリングで呼びかけた。

 チサコは試合後、「アジャ選手はハードコア、デスマッチが少なくなっている中、この試合が実現してうれしかった。自分の成長にもつながったと思う」と、痛めた左肘をさすりながら感慨を口にした。2006年のデビュー当初からハードコアをともにしたきたアジャだが、ハードコアでの一騎打ちは久しぶりだったという。

 この日のメーンで行われた岩田美香、Sareeeのシングル王者対決が注目されたが「それだけではないと思っている。今の女子プロレスではハードコア、デスマッチは省かれがちだけど、ハードコアクイーンとして人の心をつかみたい。自分が引っ張ることで、自分のモチベーションも高まる」と前を向いた。

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