タケモトピアノ 財津一郎さん訃報に「やりきれない」CM終了で「ご挨拶に行きたいと言っていた矢先」

杉田 康人 杉田 康人
財津一郎さんが出演したタケモトピアノCM(同社提供)
財津一郎さんが出演したタケモトピアノCM(同社提供)

 コミカルなダンスと「ピアノ売ってチョ~ダ~イ!」のフレーズで人気を博したタケモトピアノのCMで知られる俳優の財津一郎さん(本名・財津永栄=ながひで)が死去したことが19日、関係者への取材で分かった。89歳だった。

 ピアノの買い取り、販売を行うタケモトピアノ(大阪府堺市)の担当者は、財津さんの関係者から訃報を知らされ「ビックリしました。最近まで自身で車を運転し、ゴルフをしていたと聞いていた。にわかに信じがたい。やりきれない」と声を落とした。

 財津さんが出演する同社のCMは、2000年にスタートした。「それまでコマーシャルを流しても反応がなかったが、財津さんが出演してから大反響になった」と振り返る。CMが流れると赤ちゃんが泣き止むという伝説も誕生。昭和の個性派俳優は、令和生まれの幼児にまで知名度があった。

 23年間流れたCMは、今年8月に放送が終了。放映契約も、9月いっぱいで満了した。今後、流す予定もないという。「長きに渡ってお世話になったので、せめてご挨拶に行きたいと(財津さんの)事務所とやりとりをしていた。その矢先のことなので…」(担当者)と、同社にも動揺が広がった。

 財津さん死去のニュースが流れた後、タケモトピアノのホームページにはアクセスが殺到。担当者は「タケモトピアノの名前を広めた功労者だった」と感謝する。財津さんは生前、関係者に「タケモトには知らせないと」と訃報を伝えるよう言い残していたといい、CMへの強い思いをのぞかせた。

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