スターダムの最強タッグチーム決定リーグ戦「ゴッデス・オブ・スターダム」が15日、東京・大田区総合体育館大会で開幕。今年3月にデビューした新人のHANAKOは飯田沙耶とのタッグで白川未奈&月山和香組と対戦し、HANAKOが7分19秒、インプラントDDTからの片エビ固めで白川に3カウントを許し、黒星発進となった。
181センチの長身がリングに映えた。白川へのブレーンバスターは大きな弧を描き、アルゼンチン式背骨折りで観客を沸かせた。145センチの飯田を持ち上げ、白川に投げ落とす連係技でも見せ場を作った。最後は実力者の前に屈したが、HANAKOは「負けてしまって悔しいけど、やれた部分もある」と、自身を鼓舞するように前を向いた。
大学では学生プロレスで汗を流し、今年1月、スターダムの入団テストに合格した京都出身の23歳。小学校では水泳に励んだが、中高時代は特筆する運動経験はなし。高校時代に新日本など男子プロレスが好きになった。「近くにプロレスの話をできる人がいなかった。一緒にプロレスの話をして、試合を見に行けたら楽しいだろうな」というプロレス愛を大学進学後、自ら体現するに至った。コロナ禍に直面する中でも先輩やOBから技術を学び、リングで発揮してきた。
入団1年目。「学生は4年で卒業なので、それ以上のキャリアを積んできた方たちとの熟練度の違いを感じています。技のバリエーション、手数の多さ、そして試合数が全然違う。もっと練習しないと」と課題を感じつつも「飯田さんは練習も見ていただいているので、安心してリングに立てています」と、この日の躍動につなげてみせた。
若手主体の大会NEW BLOODの常連とはいえ、トップ級がそろうタッグリーグ戦への出場は高い期待の表れともいえるだろう。今後も対戦を夢見てきたレスラーたちとの試合が続く。「楽しみな部分もあるけれど、しっかり頑張りたい」と先を見据えた。
若手が飛躍する礎となるフューチャー王座を目標にしつつ、HANAKOならではの理想も描く。「ずっと身長がコンプレックスだった。背中を丸めて歩くくらいでしたけど、(身長177センチの)レディ・Cさんのように体が大きくても堂々としている女子プロレスラーは、私のコンプレックスを肯定してくれる存在に見えた。自分も同じ悩みを持つ人に勇気を与えられるようになりたい」。そのためにも、タッグリーグの大舞台で、存在感を示すつもりだ。