フランスの首都パリで、トコジラミ(南京虫・ナンキンムシ)が大量発生し、問題となっている。電車などの交通機関や映画館の座席、シャルル・ド・ゴール空港などでトコジラミが這いずり回る映像が相次いでSNSに投稿。パリ五輪まで1年を切る中、仏当局は駆除対策に乗り出した。
投稿されたある映像によると、実際に大量発生している状況が見て取れる。「(トコジラミは)少なくとも12匹はいるね。ちょっと刺激すると、ほら、15匹くらいはいるかな。本当に小さいのがたくさんいる」と投稿者は話す。
また、ある旅行者は「あれは本当にトラウマになった。いま私は仏国鉄の電車に乗っているが、落ち着いていられない。旅から自宅に戻ったら、衣類は全部洗濯しなければ。虫がそこにいるかもしれないから。私たちは被害妄想にとらわれている」と、“虫の恐怖”を率直に語った。
今年7月に、当局が発表した報告書によると、フランスでは2017年から2022年にかけて、10世帯に1世帯以上の割合でトコジラミが発生しているという。
トコジラミは主に夜に活動し、人間や動物の血液を吸い、かゆみを引き起こすのが特徴。かゆみが強くなると不眠症、発熱などの症状に陥ることもある。また、かいた皮膚に傷がつき細菌による二次感染で化のうすることもある。