ジャニーズ事務所が2日、都内で会見した。元社長の故・ジャニー喜多川氏の性加害問題を受け、ジャニーズ事務所を事実上解体することを発表した。社名を「SMILE-UP.(スマイルアップ)」に変更し、タレントの育成・マネジメント業務からは撤退し、被害者への補償業務に専念する。東山紀之氏を社長に、井ノ原快彦氏を副社長に、タレントを育成・マネジメントする新会社を設立する。社名は公募する。
前社長の藤島ジュリー景子氏は会見に出席せず、手紙を井ノ原氏が代読した。ジュリー氏は母で元社長のメリー喜多川氏、叔父のジャニー氏と疎遠な関係が続き、パニック障害を発症するなど複雑な境遇を明かした。被害者に謝罪した上で「加害者の親族としてやれることは何かを考え続けています。ジャニーズ事務所は名称を変えるだけでなく、廃業する方針を決めました。これから私は被害に遭われた方々への補償や心のケアに引き続きしっかり対応させていただきます。ジャニーとメリーが作ったものを閉じていくことが加害者の親族として私ができる償い」とした。
藤島ジュリー景子氏は「ジャニー喜多川の痕跡を、この世から一切、なくしたい」と決意を記した。「SMILE-UP.(スマイルアップ)」の株主として「法を超えた救済を」と補償業務に専念する。新会社には関与しない。補償の受付窓口には478人から申し出があり、被害補償を325人が求めているという。関ジャニ∞などのグループ名、関連会社等で「ジャニーズ」に関わる名称は全て変更する。
9月の会見後、所蔵タレントのCM契約の打ち切りが相次ぎ、テレビ各局からの出演要請見直しが相次いだ。東山氏は「自分たちがいかに内向きだったかを感じています。ファンの皆様の信頼を損なってしまった。前回の会見ではジャニーズの社名を残すと言ったが、内向きだと批判されて当然。その反省を元に、再出発とは何かを真剣に考えて討論してきました」と語った。