未成年者への性的虐待や児童ポルノ製作などで服役中のミュージシャンのR.ケリーが、ユニバーサル・ミュージック・グループ(UMG)が保持する印税で、性暴行被害者に損害賠償金を支払うことを命じられた。23日、ニューヨークの地方判事アン・ドネリーが、未払いの賠償金と罰金を賄うため、ケリーに対して本人の印税から52万549ドル(約7600万円)を捻出する裁決をしたかたちで、UMGは10日間以内に支払いを済ます必要がある。
ちなみにソニー・ミュージックが保持しているケリーの印税150万ドル(約2億1900万円)に関しては、賠償金400万ドル(約5億8400万円)を認められたシカゴの児童ポルノ被害者が、罰金と賠償金4万2000ドル(約610万円)の支払いが残っていることからソニーからの支払いを求めているが、UMGがそれらを補う予定だ。
以前ドネリー判事はケリーに対して未払いの罰金2万8000ドル(約410万円)も支払うよう命じていた。
一方ケリー本人は2021年のゆすり行為と性的人身売買に関する有罪判決で30年の懲役中。不道徳な目的で女性を国外に連れ出したり州間を移動させることを禁じるマン法違反など、9つの罪全てで有罪となったものの、本人は全ての罪について無罪を主張していた。
当時、判事は被害者を強制的に服従させ恐怖を与えたとされるケリーに対して、「人間の苦しみに無関心」と話していた。
シカゴでの審問中、ケリーが自身のゴッドドーターである未成年の少女に性的虐待を行うビデオの一部を判事は閲覧、その少女は自分が14歳の時にケリーから性的虐待を受け、15歳になってからケリーと数えきれないほど性行為を繰り返したことを明かしていた。
裁判書類の中でその少女はこう話していた。「ロバート・ケリーによって自分が失ったものを私は決して取り戻すことはないでしょう。ロバートによる傷は永久にに凝ったままです。14歳の時に自分のバージンを小児性愛者に奪われてから、人生は決して自分のものとはならなくなりました」
また審問中に別の被告は、こうケリーに話していた。「あなたがここにいる理由、それはあなたにある種の問題があるから。もう二度とあなたは子供たちを傷つけることはできない」