ドラマ『ブレイキング・バッド』のマーク・マーゴリスが83歳で死去したことを受けて、共演のブライアン・クランストンらが追悼の言葉を発表した。同人気ドラマで身体が不自由な麻薬カルテルの元幹部ヘクター・”ティオ”・サラマンカ役を演じたマーク、ブライアン主演ドラマ『ユア・オーナー/追い詰められた判事』が最後の出演となっていた。
ブライアンは、こう言葉を寄せた。「マーク・マーゴリスは、本当に優れた俳優で素晴らしい人間だった。セットの外では楽しく興味をそそられる人で、セットでは(『ブレイキング・バッド』と『ユア・オーナー』の場合は)脅威的で恐ろしかった」「彼の静かなエネルギーは、彼のいたずら好きなで好奇心の強い性格とは裏腹だった。そして彼は良いジョークを言うことが大好きだった。すでに彼がいないことを寂しく思っている。安らかに、マーク。あなたの友情と並外れた仕事に感謝している」
『ブレイキング・バッド』のスピンオフドラマ『ベター・コール・ソウル』でも5シーズンでヘクター役を演じたマーク、同ドラマに主演したボブ・オデンカークは、「スクリーン上でのパワフルな存在感。マークはセットに向かうヴァンの中でジョークやコメントで私を笑わせてくれた。『アクション』と叫ばれた時の彼のエネルギーと集中力の半分でも私にあったらと思う。ありがとう、マーク。ご家族にお悔みを申し上げます」と故人を偲んでいる。
マークの息子モーガン・マーゴリスによると、マークは短い闘病生活の末、ニューヨークのマウントサイナイ病院で、61年来の妻ジャクリーンと3人の孫を残し帰らぬ人となったという。
フィラデルフィアで生まれたマークは、ステラ・アドラーのもとアクター・スタジオで演劇を学んだ後、1970年代半ばに俳優デビュー、1983年のアル・パチーノ主演作『スカーフェイス』で殺し屋のアルベルト役を演じブレイクした。ダーレン・アロノフスキー監督の1998年作『Πパイ』で数学教師役を演じたことをきっかけに同監督作品の常連となり『レクイエム・フォー・ドリーム』『ファウンテン 永遠につづく愛』『レスラー』『ブラック・スワン』『ノア 約束の船』に出演したほか、舞台でも活躍した。