Twitter“青い鳥消滅”でお菓子メーカーに思わぬ悲劇 発売間近の新パッケージに…「青い鳥!」「Xの悲劇」

藤丸 紘生 藤丸 紘生
壮関の新パッケージデザイン 裏面に思わぬ悲劇
壮関の新パッケージデザイン 裏面に思わぬ悲劇

 Twitter社(現・X社)が7月24日、長年親しまれた「青い鳥」のアイコンを突然「X」に変更し、SNS上は戸惑いや悲しみの声であふれた。この“青い鳥消滅”が招いたお菓子メーカーの悲劇が話題を呼んでいる。

 茎わかめなどのお菓子を製造する株式会社壮関(本社・栃木県矢板市)の公式Twitter(現・X)が“青い鳥消滅”発表から一夜明けた25日、看板商品・茎わかめのパッケージを掲載し「これ、9月から切り替わる新パッケージの裏面なんですけど…お分かり頂けただろうか…」と投稿。どういうことかと写真に目をやると、パッケージの右下にしっかりと青い鳥をプリントしてしまっている。これには「青い鳥ー!」「Xの悲劇」「いやぁああああ!」「かわいそう」「君は悪くない…」「これは悲しい いや、この問題に悩まされる企業は多いはず」など多くの反響が寄せられた。

 同社では会社ロゴ変更を伴うCI(コーポレート・アイデンティティー)の刷新に合わせて、9月から主要18商品のパッケージデザインをリニューアル。同社の担当者によれば、デザインの方向性は年始に決定し、4月には裏面表示も含めたデザインが確定していたという。当然だが「その頃にはまさかTwitterがこのように変わることなど全く想定しておりませんでした」と吐露した。

 リニューアルで「青い鳥」をプリントしたのは、茎わかめ2味×3サイズ、茎めかぶ2味×3サイズの計12商品。同担当者は「弊社Twitterは茎わかめのPRキャラクター『くきりん』と、その中の人が壮関や壮関商品についてつぶやくアカウントとして設定している」とコンセプトを説明した。

 そのため、茎わかめ・茎めかぶ商品の裏面には、青い鳥とQRコードを掲示されている。その他6商品(干し芋、カリカリ梅など)は同コンセプトと表示面積の兼ね合いから掲示は見送られたという。

 新パッケージへの切り替えに向けて着々と準備を進めていた中で飛び込んできた“青い鳥消滅”の一報。当然社内では「まだ発売前なのに、どうしようか…?」という戸惑いが広がったというが、その一方で「青い鳥表記によるユーザーさんへの直接的な不利益はないと考え、むしろそれをツイートのネタにできるとか、小売り商談のネタに出来るのでは」と前向きな意見も集まった。

 実際に投稿は大きな話題を呼び、思わぬ悲劇をネタに昇華。同担当者は「元々SNSなどの領域は変化が大きいので、その変化に対して柔軟に対応していく風土が社内で醸成していることもあり、今回の変化は比較的前向きにとらえています」とした。

 問題は、このパッケージをどうするのか?ということ。SNS上でも「そのままでいい」「青い鳥は生き延びてほしいなあ」「またパッケージ作らないと」「上からXって書いたらダメかな」とさまざまな反応があった。

 同担当者は「現状Twitter社がこの青い鳥の使用を禁じていないこと(31日現在)、また表示法上の違法表記でないため、当面このままの使用を想定しています」と対応を説明。公式アカウントを通して「『本商品に手を伸ばしてくれれば、またあの“青い鳥”にいつでも会えるよ』とつぶやいていきたいと考えています」と新たなネタの構想を明かした。その一方で、現在開発中の新商品については「青い鳥」および「X」のロゴは使用はしない方向だという。

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