登山事故で亡くなった英俳優ジュリアン・サンズさんが、最後のインタビューで登山の危険性について語っていたことが明らかになった。熱心なハイカーで登山家でもあったジュリアンは、今年1月にカリフォルニアのマウント・バルディ周辺でハイキング中に行方不明となっていたが、先週遺体で発見され死亡が確認されていた。
ジュリアンは昨年末、ラジオ・タイムズ誌の取材に対しこう語っていた。「以前は一緒に登っていた仲間が山に行かなくなったのは、気候変動で岩肌が不安定になったこともあるし、年齢のせいもある」「そのルートを登りたいという欲求や集中力、そして絶対的なコミットメントがなければ、より危険なことになるからね」
ジュリアンはまた、登山中に人骨を見つけた経験についても「山で多くの人が命を落とした場所にいるとわかった時、不気味なものを見つけたことがある。人骨を目の前にすると、ゾッとする。しかしそれは必ずしも超自然的なことではなく、あまりにも自然なことなんだ」「大いなる自然を目の前にし、大いなる自然がその力をすべて露わにしている。それは私たちを過敏さの域を越え、自然の力の領域に連れて行ってくれる」と語っていた。
サンバーナーディーノ郡保安官事務所は先月26日、ハイカーによって発見された遺体の身元確認作業が完了し、ジュリアンであることが確認されたたと発表。「死因については未だ調査中であり、検査結果を待っているところです」とし、「サンズさんの行方を捜すため、精力的に活動してくださったボランティアの皆さんに感謝の意を表します」と謝辞を述べていた。ジュリアンの捜査活動は、地上と空から8回行われたが、現地の悪条件に阻まれ、3月には雪崩の危険性から中止されていた。