漫才コンビ・浅草キッドの玉袋筋太郎がライフワークとするイベント「スナック玉ちゃん」が24日、コロナ禍での中断を経て、3年4か月ぶりに都内で開催された。22日に56歳の誕生日を迎えた玉袋が、よろず~ニュースの取材に対し、活動再開に込めた思いを吐露した。
一般社団法人全日本スナック連盟会長も務め、「SNSとはスナック・ネットワーク・サービスの略」「スナックは日本が生んだ独自の文化」といった持論を掲げる玉袋が2009年10月に〝開店〟した同イベント。20年6月の誕生日に合わせて開催予定だった回が中止となり、同年2月以来の開催となった通算83回目の会場は約130人の参加者で満席に。その中には、玉袋を駆け出し時代から見守ってきた放送作家・高田文夫氏の姿もあった。
玉袋は前夜も東京・赤坂にある実店舗の「スナック玉ちゃん」で〝ガソリン〟を満タンにし、一夜明けて正午過ぎから始まったイベントにマスターとして臨んだ。時事ネタを織り込んだトークを繰り広げ、カラオケコーナーでは各地にあるスナックのマスターやママ、常連客ら、さらには格闘技番組で共演したモデルでタレントの西山茉希も参加して熱唱した。
昨年は周囲で大きな変化があった。浅草キッドの相棒・水道橋博士は7月の参院選に出馬して当選したが、その後、体調を崩して休職し、今年1月に議員辞職。今回のイベント終盤、玉袋は満員の会場を見渡しながら「ここには、こんなにスナックの心強い仲間がいる。〝れいわ〟から(選挙に)出るよりよっぽどいいよ」と、ぶれずに〝スナック道〟を貫いてきた日々に実感を込めた。
そして、同い年の盟友で、自身の壮絶な生き様を私小説に昇華させた芥川賞作家の西村賢太さんが昨年2月に急逝。玉袋は当サイトの取材に対して「賢太が亡くなって寂しいよ」と思いを吐露する一方、「俺は政治、宗教、野球の話はしないというのが信条だから、これ以上のことは言わないけど、ああいう政(まつりごと)があったりして、自分としては、いろいろな物事をニュートラルな目で見られる、いい機会だった」と激動の1年を振り返った。
仕切り直しとなった23年の誕生月、大盛況のうちに再スタートを切った。
「(コロナ禍で)溜めた分がさく裂した。俺も溜まっていたし、(スナックの絆は)強いと思ったね。まさか、こんなお客様が入ってくれるとは思わなかったので、うれしかったし、感動的でした。これだけ集まってくださったことに感謝します。俺も最高のおじさんになるために努力だと。そのために、志は高く、これからもやっていきますから」。次回の開催日は未定だが、「スナ玉」継続に玉袋は意欲を示した。