どんな作品でも、主役だけでは成り立たない。それらを盛り上げるのが〝バイプレーヤー〟という存在だ。かつてテレビ東京で「バイプレイヤーズ」が放送され、じわじわと人気を集めた結果、映画化にまでなったのがその証拠だろう。本来なら脇役などと表現するには申し訳ないほどの演技力を持ちながら、あえて主役を引き立つ役割を引き受ける。むしろ演技力がなければ、〝脇〟などできないのである。
韓国ドラマ・映画界も同じこと。その人々の名前は知らずとも、顔を見ればわかるバイプレーヤーたちが多く存在する。韓国ウェブメディアのwikitree(ウィキツリー)がその中の一人と言われる、キム・ビョンチョルが演じていた〝記憶に残るキャラクター〟について紹介していたので、引用したい。
キム・ビョンチョルは、1974年生まれの48歳。2003年に公開された映画「黄山ヶ原」でデビュー。彼の顔が知られるようになったのは、それから13年後の2016年で、ドラマ「太陽の末裔 Love Under The Sun」でソン・ジュンギの上司役を演じてからだという。現在は、Netflixでも配信されている「医師チャ・ジョンスク」で主演のオム・ジョンファ演じるジョンスクの夫で少しおっちょこちょいな、ソ・イノを演じている。
「太陽の末裔 Love Under The Sun」パク・ビョンス
2016年に放送された同作でキム・ビョンチョルは、特戦隊中佐パク・ビョンス役で出演。昇級したいがために海外派遣を志願して指揮官となったのだが、ユ・シジン(ソン・ジュンギ扮)やソ・デヨン(チン・グ扮)の突発的行動のせいで後始末を追われることに。しかし徐々に彼らに理解を見せ心配する一面を見せるなど、不器用ながら情に熱い人物を見事に演じた。
「トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜」パク・ジュンホン
「太陽の末裔」をきっかけに、同作を執筆した脚本家のキム・ウンスクの目に留まり出演が決定。そしてキム・シン(コン・ユ扮)にぬれぎぬを着せて彼を粛清、トッケビとなるきっかけを作った、ドラマをつかさどる重要な役割を演じることとなった。
「SKYキャッスル」チャ・ミニョク
富・名誉・権力などを手にした、たった0.1%の富裕層しか住むことのできない高級住宅街〝SKYキャッスル〟に住むセレブな家族たちの受験戦争を描いた本作は、韓国で社会現象を巻き起こした。キム・ビョンチョルは同作で検察官となったチャ・ミニョク役で、自身がかなえられなかった夢を息子に強要する、エゴイストな役を演じている。
作品にキム・ビョンチョルが登場すると、敵なのか味方なのか視聴者を惑わせる。それがドラマのスパイスとなっているといっても過言ではない。役柄とは裏腹に、本人はとても気さくで恥ずかしがり屋だと言い、先日日本でファンミーティングを開催した、俳優のチョ・ビョンギュは「SKYキャッスル」で息子役を演じ「シリアスなシーンなのに、ビョンチョルさんが真顔でユーモラスなことをしてくるので、笑いをこらえるのに苦労した」と明かしていた。