交際相手の手料理が「まずい」…、いや「自分の好みの味ではない」ことを打ち明けたところ、関係が悪化したというケースがある。「大人研究」のパイオニアにして第一人者、『大人養成講座』『大人力検定』など多くの著書を世に送り出してきたコラムニストの石原壮一郎氏がその場合の対処法を伝授しつつ、「食」をめぐって性格の違いが露呈したことで、2人の関係を見直す機会になることも指摘した。
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【今回のピンチ】
付き合い始めたばかりの彼氏は、自称「味にうるさい料理男子」。ある日、手の込んだ料理を何品も作って振る舞ってくれた。本人は自信満々だが、ことごとくマズイ……。
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相手が彼氏の場合だけでなく、彼女の場合も同様にピンチです。正直に「マズイ」とは言えないし大量に残すわけにもいきません。とはいえ、無理して食べることが「拷問」でしかないケースもあるでしょう。
もちろん、自分を奮い立たせて、「おいしい、おいしい」と絶賛しながら必死で食べる、という道もあります。しかし、とくにこの手のタイプはホメると調子に乗って「じゃあ、また作るよ!」と言い出すに違いありません。
困ったときの仮病作戦。「ごめんなさい。今日は体調が悪くて、あんまり食べられないの」と謝って、口を付ける程度でお茶を濁す手もあります。ただ、こちらも「じゃあ、また作るよ!」という話になって、遠からず同じピンチに見舞われるでしょう。
味の好みは、付き合う上で重要なポイント。しかも、ここでは相手の独りよがりな性格が露呈している気配もあります。ピンチを乗り切って、無難に交際を続けるのが最適とは限りません。「こいつとは別れてもいい」という覚悟を決めるのも、有効な打開策です。
最初からケンカ腰になる必要もないので、穏やかな口調でこう言ってみましょう。
「私が味音痴なのが悪いんだけど、〇〇君とは食べ物の好みの方向性が違うみたい」
そのままそっと箸を置いたときに、相手が露骨に不機嫌になって「マズイってこと!」と怒り出せば、別れる決心を強く固められます。「そうなんだ……」と反省して、こっちの好みを尋ねたりアドバイスを求めて来たりするようなら、見直してあげてもいいかも。
「ピンチはチャンス」とはよく言ったものです。その場で別れる必要はありませんが、相手の本性や相性の悪さを確認して、心の中で見切りをつけるチャンスととらえましょう。
しがらみや執着を捨てて「すべてなくしてもいい」と覚悟を決めることで、苦しみや迷いから解き放たれる――。いろんなケースに当てはまる大切な教訓ですね。