『イッツ・イン・ヒズ・キス』で知られるシンガーソングライターのリンダ・ルイスさんが3日、死去した。72歳だった。5オクターブの素晴らしい声域を持ち、デヴィッド・ボウイやロッド・スチュワートのバックシンガーとしても活躍していた。
妹のディー・ルイス・クレイがフェイスブックでリンダの悲報を公表。「私たちの最愛の美しい姉リンダ・ルイスが今日、自宅で穏やかに亡くなったというニュースを最大の悲しみと共にシェアします」「私たち家族は、この悲痛な時期、プライバシーを尊重していただけたらと願っています」と綴っている。死因は明かされていない。
舞台学校に通った後1964年のビートルズの代表的なミュージカル映画『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』で絶叫するファンを演じるなど複数の映画に出演したリンダは、70年代に『ザ・シュープ・シュープ・ソング(イッツ・イン・ヒズ・キス)』のディスコバージョン『イッツ・イン・ヒズ・キス』、『ロック・ア・ドゥードゥル・ドゥー』、『ベイビー・アイム・ユアーズ』、『アイド・ビー・サプライジングリー・グッド・フォー・ユー』がトップ10入りのヒットとなるなど、英国チャートで成功を収めた。
そのボーカル能力の高さが、ジョーン・アーマトレーディング、ベースメント・ジャックス、トゥーリン・ブレイクス、ジャミロクワイなどさまざまなアーティストとの仕事に繋がったリンダは、独学でギターとキーボードも習得、1999年にリリースした10枚目の『キス・オブ・ライフ』が最後のスタジオアルバムとなっていた。
ロンドン北部のハムステッドにあるコミューンに住んでいたリンダの元へは、音楽仲間のキャット・スティーヴンス、マーク・ボラン、エルトン・ジョンなどが頻繁に訪れていた。
リンダの訃報を受け、ジョーンやミッジ・ユーロなど多くの人々が悲しみのコメントを寄せている。