大相撲の二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が29日、千葉・幕張メッセで開催された「ニコニコニ超会議2023」に登場した。日本相撲協会ブース「超大相撲」でちゃんこ鍋を調理する企画でちゃんこへの思い入れを語り、購入者にちゃんこを手渡すなどして、イベントを盛り上げた。
ネット視聴者からの差し入れで調理する「超ちゃんこ鍋」。二所ノ関親方は笑顔を浮かべながら、大鍋に食材が投入される様子を見つめた。鶏肉、たまねぎ、しいたけ、えのきに続き、こんにゃくが投入されると「鍋にアクセントがつきます」と話し、次のごぼうには「朝が快調になります」と語った。ねぎ、ソーセージ、にらに続き、白菜が投入されると「(角界には)白菜派とキャベツ派がいます。僕はキャベツ派なんですけどね」と、楽しそうに大鍋を見つめた。
最初に出来上がりを口にした親方は「ダシがきいて、ネギのアクセントがあって食べ頃。大鍋にしかできない味でおいしい」と絶賛。近年は食が細い新弟子が増え、ちゃんこにも工夫が施されているという。「若い子向けにチーズとトマトにごはんを入れてリゾット風にしたり、ラーメンやうどんではなくパスタを使ったり、背脂を使って二郎系にしたりしています。ちゃんこはビタミン、タンパク質がとれて、冬のイメージが強いが、夏は夏バテ防止にもなるスーパーフードです」。口調が滑らかになった。
2019年の初場所中に現役を引退。「やめたらものすごく時間がありますね。現役中は1日にあと2、3時間欲しいと思った。今は随分早く寝てしまう」と笑った。21年夏に茨城県つくば市に荒磯部屋(現二所ノ関部屋)を創設。「きょうも朝、弟子を鍛えてきましたよ」と土俵で汗を流し続ける。この日のちゃんこに命名を求められた親方は「大鍋で五右衛門風呂みたい。〝力士の五右衛門風呂鍋〟って感じですね」と答えた。最後は自らが店頭に立ち、購入者にちゃんこを手渡した。
控室に戻った二所ノ関親方。コスプレイヤーが多く、自衛隊の出展ブースが近いなど、普段とは異なる環境に「コスプレはカッコイイし、リスペクトですね。自衛隊員がいたり異次元のよう。ワクワクします」と笑った。「少しでも相撲のことを知ってもらって、興味を持ってもらえたら」と語った。