歌手トニー・ハドリー(62)が、一度も薬物を摂取したことがないと胸を張って明かしている。大ヒット曲『トゥルー』などで知られる英ロックバンド「スパンダー・バレエ」の元フロントマン、トニーは、80年代の全盛期にはパーティー好きというイメージがあったものの、実際に自分たちはとても「平凡」だったという。
トニーはオブザーバー紙にこう語った。「祖母のローズから『絶対にドラッグをやらないように』と誓わされた。40数年経った今でも、違法な薬物に手を出したことはない」「スパンダーは、あの時代にはよそよそしい面々だった。バレエシューズを履いた未来のロビン・フッドみたいな格好をしていたから、みんなは飄々とした超クールな男たちだと期待していた。実際は、信じられないほど平凡だったんだ」
一方、もっと早くタバコを止めておけば良かったと後悔しているというトニーは、「父は30年前、63歳で亡くなった。次の誕生日で僕はその年齢を迎える。若い頃は、悲しみはどうにもならないものだと感じていた」「歳をとると、避けられないことに対してより哲学的になる。タバコを吸わなければ良かったと、神に願うほどだ」「歌手として最も愚かな行為だよ。息子に涙目で禁煙を約束させられた38歳まで、毎日2箱は吸っていたんだ」と続けた。
そんなトニーは、ショービジネスでの成功について、「僕の両親は、子供に大きな期待を寄せていた。父はフリート街のエンジニアで、母は地元コミュニティで力を発揮していた」「制限的だから、階級制度に触れるのは好きじゃないけど、自分たちは労働者階級と呼ばれるものだった。僕は整形外科医になりたかったけど、数学の成績が良くなかった。それで、14歳のときにポンティンズ(イギリスのサマーキャンプ場)で音楽に出会ったんだ」と両親から強い労働倫理を教え込まれたことを語った。