4月は新生活の季節。全国各地で新社会人が「入社おめでとうございます」と言葉を受け、新たなスタートを切った。この「入社おめでとう」に関するエピソードがSNS上で話題を呼び、様々な意見が寄せられている。
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ドイツ人の友達、日本の入社式で会社側が「入社おめでとうございます!」と言うことにキレてた
理由を聞いたら「他にも行く会社がある中で選んでやったんだから“おめでとう”じゃなくて“ありがとう”だろ!!」とのこと
自分もこの精神を見習って生きていきたい
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和田淳史(@atrzdflw)さんが3月20日、自身のTwitterに投稿したこのエピソードが、違和感なく世間に浸透している「入社おめでとう」に一石を投じた。「“おめでとう”じゃなくて“ありがとう”だろ!」というなかなか強気な言葉ながら、理屈としては一理あるかもしれない意見だ。
もちろん、リプライの意見はさまざま。「言われてみれば確かに」「これはずっと思っている」「日本人みんな、自己卑下しすぎなのでこれぐらい強火で行ってほしい」と理解を示す声もあれば、「おめでとうって別に上から目線じゃないと思う」「学生から社会人へと変わる人生の節目を迎えたことへの『おめでとう』だと思います」と異議を唱える声もあり、賛否両論であふれた。
また「ちゃんとスキルがあるならその精神で良い」「自分が有能だと思ってるやつ、内定を何個ももらってるやつだけが言える言葉」など能力ありきという意見や「おめでとう、ありがとうの両方を言えるのが良い会社だな~」と間を取った意見、「明日の面接、その精神でがんばります」という声もあった。
投稿した和田さんは「賛否どちらもあって考え方も人それぞれだなぁと思い、とても楽しいです!」とさまざまな意見であふれる反響を喜んだ。数多く寄せられたという「おめでとうには『就職活動お疲れさま』の意味も内包している」との声については、「お疲れさまって思うのであれば『お疲れさま』と表現すればいいし、おめでとうという表現を使う必要はないかなって思いました」と話した。
これまで、和田さんは一度も「入社おめでとう」に違和感を抱いたことはなかったとのこと。その分、友人の言葉には目から鱗だったようで「一瞬、?!?!ってなりましたけど、日本人が当たり前だと思ってることが外国の人から見たら違うんだなと」と理解。自身も会社を経営しており「むしろ、働いてくれてありがとうの方が強いので…」と新社会人を受け入れる身として思いを寄せた。
投稿の最後を「見習って生きていきたい」で締めくくったのは、「自分を強く主張するコミュニケーションをしたことがなかったので、ここまではっきりと主張できることからの羨ましさ」が理由だという。「自分も戦うべきところでちゃんと戦えるようになりたいなあ、と常日頃から思っております」と気合を込めた。
投稿は10日時点で約2.2万件のいいねに、約5000件のリツイートを記録。議論の盛り上がりに目を細めつつ、「こういう話が出た時に『日本人は~』『ドイツ人は~』と二項対立で考える方が一定数いますが、ドイツの方全員がこういう態度なわけではないし、あくまで一例と考えていただきたいです!」と呼びかけた。