英ロックバンド「ザ・フー」のフロントマン、ロジャー・ダルトリー(79)が、新しいアルバムをリリースすることに「意味がない」と語った。最新アルバムである2019年の『WHO』がUKアルバムチャートで3位、アメリカのビルボード200で2位を獲得したにもかかわらず、ファンは伝説のロックグループの大ヒット曲を聴きたがっていると考えているという。
NMEとのインタビューで、ロジャーはこう語っている。「また新しいアルバムを出すことに何の意味があるというんだ?4年前にアルバムを出したけど、何の成果もなかった」「素晴らしい出来だった。でも最近の新しい音楽に人々は興味がないんだ。人々は古い音楽を聴きたいんだ。なぜかわからないけど、それが事実だ」
一方同バンドのギタリストのピート・タウンゼント(77)は、2021年に「昔ながらの仕事の仕方」のせいで次のアルバムが出るかどうかわからないと話していた。ピートは、ギター・プレイヤー誌とのインタビューで次の様に語った。「新譜に関しては、ロジャーと僕、そして一緒に仕事をすることになるプロデューサーが、その時代に合った必要な20~30曲をまとめるのに、かなり時間がかかるんだよ」「曲を書いて、2年後にそれを全部発表するから、その時のムードに合うことを祈るしかないんだ」「今は多くのアーティストが自宅で曲を作り、自宅でレコーディングし、数週間で世に送り出している」「でも、僕らのプロセスは昔ながらの方法で、かなり時間がかかる。わからないけど、楽観的にみているよ。それに、アイディアもいっぱいあるんだ」
またピートは、キャリアのこの段階で自身の限界を超えることに関して、ロジャーと少し異なるスタンスを持っているとし、「ロジャーは、漠然とした、あるいは発展途上の、未完成のアイデアを売りたくないんだと思う」「でも、僕はまだ、スタジオコンポーザーやライターとして、ギャンブルしたりチャンスを狙いたいという位置にあるんだ」と語っている。