参院は22日、本会議で、国会に一度も登院していないNHK党のガーシー参院議員(51)を「議場での陳謝」とする懲罰を賛成多数で可決した。
四面楚歌のガーシー議員に、他党から擁護の声が出た。採決を棄権したれいわ新選組は同日、声明を出し「今後、記名での除名投票が国会で行われるとしても、私たちはそのようなレールには乗らない。つまりは参加しない」「結論ありきの処分のためだけに本会議を開くのは違和感しかない」などと理由を説明。ガーシー氏の懲罰決定に抗議した。
声明では、ガーシー氏が参院議院運営委員会に3月上旬の帰国意思を示していることを挙げ「その時期を待たずに、国会が除名処分へと駒を進めようとする動きはマズイのではないか。本人に帰国の意思があり、その時期を示しているのならば、その予定に合わせたスケジュールを組むのが合理的ではないか」と、懲罰決定の過程に問題があるとした。
れいわ新選組とNHK党は、原発や防衛問題などで対立する政策を打ち出しているが、声明では「私たちが、特に連帯感を持っていないガーシー議員に対して、なぜそこまでの配慮が必要かと考えるか」と切り出し「今回のことをきっかけに近い将来、国会の大きな政党間の恣意的な運用で、気に入らない議員や党を処分、排除など行える入り口となることを危惧するからである。私たちは、国会の多数決で排除する行為には最大限の慎重さを求める」と警鐘を鳴らした。
この日の参院本会議は、ガーシー氏の「議場での陳謝」を正式決定しただけで会。声明では「優先順位が違うのではないか。30年の不況にコロナ、輸入物価高。国民は苦しんでいる」「いま最も取り組まなければならない政治的課題を横に置き、人々の関心を他に誘導し、岸田政権のおこなう売国棄民政策から目を逸らさせる行事には参加しない」とした。
れいわ新選組の大島九州男参院議員は出席したが、代表の山本太郎氏、舩後靖彦氏、天畠大輔氏、木村英子氏ら同党の他の参院議員は欠席。「欠席で抗議を示すれいわの議員がいるのはそのためである」と強調した。