「犬は喜び庭駆け回り…」
1911年に「尋常小学唱歌」に文部省唱歌として掲載されて以来、多くの人に歌われてきた童謡「雪」のこのフレーズ。しかし現実のワンちゃんは必ずしも雪や寒さを好むわけではないようだ。
先日、Twitter上で
「かかりつけの動物病院の先生が
『犬が雪ではしゃいでる!という飼い主多いけど、冷たいから足を地面から離したくてそういう動きになってるだけ。腹壊す犬が多いから、外に出すんじゃねぇ!』
って去年言ってました。
ご参考までに。#犬をしまえ」
という投稿が話題になった。
投稿者はミニチュアピンシャーやイタリアングレーハウンドといった小型犬と共に暮らしているRUMKA(ルンカ)さん。
犬には寒さに強い種もあるが、小型犬を中心に寒さに弱い種もある。また近年は室内で飼育され気温の変化に不慣れなワンちゃんも多いため、寒い日には体調不良をうったえるケースが多いようだ。
今回の投稿についてRUMKAさんにお話を聞いた。
RUMKA:「寒波でお腹壊す子が多そうだなー。先生がこんなこと言ってたなー」と思ったのをそのまま書きました。いつも見てくださるミニチュアピンシャー、イタリアングレーハウンドの飼い主さん達や、運営しているウェブショップのお客様に伝わればいいかなと軽い気持ちでした。
ハッシュタグも、以前「台風のときには犬をしまえ」というハッシュタグが流行ったのでなんとなくだったのですが、まさかあんな風にバズるとは思わなくて、いろんな反応があってびっくりしました。
「犬種が!」とか、「顔を見ればわかる!」とかいろんなご意見があり、読んで確かにと思うこともありましたが一部では「嘘だ!とか書かれてしまい、削除しようかなと思うこともありました。
でも、いろいろ反応を読んでいる内に「犬種だから大丈夫!うちの子だから大丈夫!で、本当にいいのかな?」と思うようになりました。うちの犬の同胎犬は投稿のツリーに書いたように、子犬で新しい飼い主の家に行った夜に凍死しました。
「犬の知識があるから大丈夫」とブリーダーの言うことを聞かなかったということです。"犬は寒いのは平気"という先入観が犬の健康を妨げているのかなと思いました。
「あの童謡は嘘だったのか?」という声もありましたが、明治の頃は主に外で犬を飼っていたでしょうし、今のように犬種のバリエーションもなかったはず。ましてやお腹壊したからと言って今のように治療をしていたとは思えないです。現代なら悪天候の時はせめて玄関に入れてあげるとか、毛布を一枚増やすとかそうした工夫があってもいいのではないでしょうか。
野中(以下「野中」):同感です。私が住むのは雪がほとんど降らない地域ですが、犬の健康診断で獣医師から「雪に慣れていない地域は雪を食べる子も稀にいますし、お腹下したペットの来院は多いかもしれません。注意してあげることはいいことですね」と聞きました。
RUMKAさんはオリジナルのリードを考案されたり安全対策を発信されるなど、日頃からペットの病気や事故を未然に防ぐように呼び掛けられていますね。
RUMKA:リードなどのペット用品は自分のために作り始めたのですが、ある日「愛犬が交通事故で死亡し、散歩恐怖症とペットロスになってしまった。しかしもう一匹の犬のために散歩に行かなくてはいけない」という方に出会いました。私が活動することでそんな方たちの助けになり、また多くの人に「事故の怖さ」「誰にでも事故にあう可能性がある」ことを伝えられたらと思うようになりました。
野中:今回の投稿もワンちゃんへの思いやりが発端ですね。リードはどんな方が購入されますか?
RUMKA:危険な思いをしたことがある方や、事故で亡くしたけどもう一度ワンちゃんを迎えた方、そういう思いをしていなくても共通しているのは「わんこを守りたい」という気持ちが強い方です。
事故で愛犬を亡くすケースはごく僅かかもしれません。でも、その僅かがもし自分に起こったら…。リードの素材や仕様に対しなにも疑問を持たない人は多いですが、RUMKAのリードを通して「この金具はどうだろう?うちの子にはどうだろう?」などと考えてもらえたらと思って作っています。
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コロナ禍でおうち時間が増えたことで、初めてワンちゃんを家族に迎えた方も多い。ワンちゃんにとって多くの有益な情報を取り入れ、健やかで楽しい時間を過ごしてくれる家庭が増えるよう願いたい。
RUMKA
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