「機動警察パトレイバー」等身大イングラムが3年ぶりに立った 新作アニメは30年後が舞台

山本 鋼平 山本 鋼平
「機動警察パトレイバー」の等身大イングラム=千葉・幕張
「機動警察パトレイバー」の等身大イングラム=千葉・幕張

 アニメ、漫画などで人気の「機動警察パトレイバー」シリーズに登場する人型ロボット・98式AVイングラムの実物大が12日、千葉・幕張メッセで開催されたフィギュアの展示会「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)2023[冬]」に登場した。全高8メートルのロボを寝ている状態から立ち上げるデッキアップが約3年ぶりに実施された。

 等身大ロボが立ち上がる非日常な光景。どよめきの中、来場者はそれぞれがスマホで撮影するなどして、久々の復活を楽しんだ。ロボは2014年に公開された映画「THE NEXT GENERATION パトレイバー」の撮影で製造されたもので、同年の吉祥寺駅前を皮切りに、日本各地でデッキアップイベントが開催されてきた。コロナ禍で稼働がなくなり、クラウドファウンディングで本体と車両の修復、車検費用等を捻出し、この日に至った。

 同会場ではパトレイバーのガレージキット、フィギュア、イラスト、CG作品などを公募、展示する「第1回幕張国際レイバーショウ」も併せて開催された。

 作中に登場したレイバーの展示会「東京国際レイバーショウ」を再現する企画で、これまで作品に携わった出渕裕氏、ゆうきまさみ氏、高田明美氏、押井守氏らによって各賞を選出。大賞には人気キャラクターとイングラムが勢ぞろいした作品が輝いた。会場での表彰イベントに参加した出渕氏は「数がそろうと圧巻で、組み合わせとレイアウトの良さもあった」と感想を語った。

 また、17年に発表された新作アニメプロジェクト「PATLABOR EZY」についても言及。出渕氏は「昨年に再来年末には、と話していましたが、今年は来年末には、ということで、その点は変わっていません」と、24年末の発表を目指してると語り、続けて約90秒のパイロットフイルムを公開。「30年後の設定になっているのでキャラクターは新しいものばかりです。(旧作のキャラクターは)少し出るかもしれませんが」と話した。共演した脚本家の伊藤和典氏は新作タイトルのEZYは〝イーゼットワイ〟ではなく〝イジー〟と読み、数量単位のエクサ (exa)、ゼタ (zetta)、ヨタ (yotta)から、未来をイメージする言葉だと説明した。

 伊藤氏は新作について「忘れた頃に出来上がるので、気長に待ってほしい」と呼びかけ、出渕氏も「過剰に期待されると…」と含みのあるやりとりを展開。パトレイバーらしい、力の抜けた決意表明でイベントを締めくくった。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース