ギターを演奏する際の必需品・ギターピック。ギタリストが弦をはじき、音を響かせる姿は実にかっこいい。しかし、もしもギターピックに命が宿っていたとしたら、そのかっこよさは誰も知らない献身の上に成り立っているのではないだろうか。そんな想像をふくらませるアイデアピックが話題を呼んでいる。
八羽(@aoiwa_88)さんが1日、自身のツイッターに、苦悶(くもん)の表情がプリントされたピックを投稿し、「痛がっているギターピックを作りました。持ち主の演奏に毎回付き合わされるせいで常にアゴを擦りむいています」と紹介した。ピックは2種類あり、一方は口を真一文字に結び、脂汗をかきながらなんとか痛みに耐えている。しかし、もう一方は、目を開く余裕もなく口は半開きで、まさにギブアップ状態。思わず「ごめんね、もう弾かないから!」と言いたくなるピックだ。
八羽さん自身はギター経験は全くないというが、数年前に初めてギターに触れた際に「弦が思いのほかピンと張っていたので、こんな痛みを肩代わりしているギターピック側からしたらめちゃめちゃ迷惑だし、絶対『なんで私がこんな目に…』と思ってるだろうな」と感じたことが制作のきっかけ。演奏動画を参考に、酷使されている箇所を研究。表情が違う2種類の「掛け合いを想像しながら」制作したという。
完成後には「ポロン…と一回引っかいただけ」ながらも試し弾き。さぞ弾き心地は悪かったと想像されるが「指で顔の部分が隠れているので意外と罪悪感は薄かった」とまさかの結果。むしろ「赤く擦りむいた部分だけが見えているので、たくさん練習した後のような不思議な達成感がありました」と、表情があってもピックの悲痛な叫びは届かないという悲しい結末を迎えてしまったようだ。
八羽さんはこれまでも想像力豊かなアイデアグッズを発案。なかにはSNSでの好評を受けて商品化したものもある。ギターピックに関しては「今のところ予定はありません」としながらも「需要があるようでしたら考えたい」とした。