幻のスナック菓子が復活する。カルビーは6日から映画「シン・仮面ライダー」(3月公開)とコラボした「シン・仮面ライダーチップス」を24都道県の一部コンビニエンスストア等とECサイトで数量限定発売する。また、1971年に発売した「仮面ライダースナック」を復刻し、味わいを再現した「シン・仮面ライダースナック」を同日にカルビー公式オンラインショップ「カルビーマルシェ」にて、数量限定発売する。今は店頭にないライダースナックについて、担当者に聞いた。
同社のポテトチップスうすしお味が入った「ライダーチップス」には映画「シン・仮面ライダー」のカード2枚が付く。「ライダースナック」はパッケージデザインと風味が再現された当時のスナック菓子3袋、カード全48種、オリジナルのカードアルバム1冊がセットで販売される。
「ライダースナック」は店頭から姿を消しており、SNSを中心に、1971年当時を知る年配者からはその風味に肯定的な思い出、否定的な思い出が割れており、当時を知らない人からは「いったいどんな味なんだ」との関心が高まっている。当時は、おまけだけを抜き取り、菓子を捨てる行為が社会問題となっていた。
「ライダースナック」は「かっぱえびせん」の姉妹品として登場。今回、当時と同じ六角花型で蜜がけのほんのり甘い懐かしい味わいに仕上がった、と発表された。〝蜜がかかった甘いかっぱえびせん〟の風味について、カルビーの担当者は「かっぱえびせん姉妹品とある通り、えびが配合されております。またカルビー最初のポテト入りスナックとある通り、ポテトも配合されております。そのため、かっぱえびせんともサッポロポテトとも違う味わいです。同じような風味のスナックはないと思っております」と説明した。
その風味について、正反対の感想が混在している状況。担当者は「いろいろなお声があることは把握しております」とした上で「当時、かっぱえびせんの『塩味』に対して仮面ライダースナックは『甘味』であったことから、ギャップを感じられた方も一定数いらっしゃるのかなと思いますが、『やめられない、とまらない』かっぱえびせんの姉妹品として、当時もおいしいものを目指して作っていたものと考えております」と続けた。
開発部署の書庫に保存されていた当時のレシピを発掘。同社OBにもヒアリングし、再現に着手した。「当時とは製造機器、製造技術、原材料等の状況が異なりますので、味わいの再現は非常に苦労いたしました。レシピをもとに試作を繰り返しました。当時、少年だった先輩社員にも何度か試食していただいて、味を調整していきました。『もっと甘さが強かった』など、的確なアドバイスをいただき、少年時代の思い出に刻み込まれているお菓子なんだと改めて感じました」と振り返った。
再現には多くの社員が協力。担当者は「発売当時、少年少女だった先輩方が、『懐かしいな~』『弟が集めていたのよ~』『これ、完成したらぜひ食べさせて!』など、少年少女に戻ったように熱く話をしてくださったのがとても印象的でした」と語った。
おまけ目的で中身を捨てる行為が問題視される事例は、他にも多くあった。ただ、その中身は現在も形を変えながら販売されているケースが多く、当時は食傷気味だった者でも大人になって口にすると「普通においしい」という場合が珍しくない。ただし、ライダースナックは店頭から姿を消したため、当時の印象は今も変わっていなかった。
担当者は「発売当時の社内報を確認し、かっぱえびせんと差別化したおいしさを目指していたことを知りました。その味わいをしっかり再現しようと、いろいろな人に意見を聞きながら、開発担当者が試行錯誤して作り上げました。ほんのりえびの風味がありつつ、素朴な甘さで、パクパク食べ進むような味に仕上がっており、当時の味わいを再現できているのではないかと考えます」と自信を口にした。
シン・仮面ライダーチップス(カード2枚付)はオープン価格(想定価格 税込み120円前後)、シン・仮面ライダースナック(1ケース3袋入り、カード全48種類、シン・仮面ライダーアルバム1冊のセット)が5500円で、6日から数量限定販売される。