【漫画】異色の教員漫画家が描く、悩める女子学生の応援する作品に「耳が痛すぎます」と大人の読者が共感

橋本 未来 橋本 未来

 将来の進路について悩む女子学生から「漫画家になりたい」と打ち明けられ、教師が力強い言葉で応援する短編作品『今やれ、今』が大きな話題となっている。2023年1月2日にTwitterにて発表されたこの作品には1万件近くのいいねが付き、閲覧数も200万を有に超える反響ぶりだ。

 

 しかも、この作品は学生のみならず、今まさに自身の環境に悩みを抱える大人たちにも深く突き刺さり、「耳が痛すぎます」「今やらないと、はじまらないですね」と、共感する声が次々と寄せられている。

 作者は、現役の教師でもある異色の漫画家、夏目にーにさん(@212natsume)。美術大学卒業後、学校の教師として働くかたわら、漫画作品を発表するようになった夏目さんは、なぜこうした作品を描くようになったのか、話を聞いた。また、この記事では話題の『今やれ、今』と『環境を変えたい君へ』の2作品を紹介する。

教師の建前と本音から描く

 教師という職業に就きながら、なぜ夏目さんは漫画を描くようになったのだろうか。そこには、教師という特殊な仕事だからこそ抱えるさまざまな思いがあったと話す。「『自分にしか描けない作品って、何だろう』と考えたときに、実際に体験し、目で見て感じたことを作品にするのが、一番オリジナリティが出ると考えました。教員として働いていると日々色んなことがあるので、それに少し創作を加え、感じたことをなるべく前向きなメッセージに昇華して話を作っていきたいと思っています。漫画を描くようになって、私の作品が誰かのモチベーションになっていると感じることも多いので、ある意味では学校の延長に漫画創作もあるのかなと」

 

 『今やれ、今』と同じく反響を得た作品が、『環境を変えたい君へ』だ。クラス替え後の初めての面談で、女子生徒から「学校をやめようと思って……」と相談され、教師の頭の中で色々な思いが駆け巡る様子を描いた作品。

 「先生としての建前と本音の描写した作品です。実際、転学指導というのは生徒の思いと、保護者の思いが相反するケースが多く 間に立って、双方の話を聞いていくのが長期にわたるなど、骨の折れる指導の一つです。とはいえ、学校の教師としての建前と、担任として本来どう思っているかということを端的に表現しています。 今いろんなケースで、環境を変えたいと思っている人にも届くメッセージになるのではないか、ということがこの漫画を描くきっかけです」と夏目さん。

 新しいことに挑戦しようと考えている人。果たせなかった夢を抱えながら生きる人。夏目さんは今後も、教師として得た経験などを生かしながら、「そうした人々を力強く支える作品を描き続けたい」と話してくれた。新生活シーズンを迎えつつある今こそ、夏目さんの作品の触れると、さいしょの一歩踏み出す勇気をもらえるだろう。

<夏目にーにさんInformation>
 
▶Twitter /
https://onl.sc/k4Xec87
 
▶note /
https://note.com/ni_ni22/m/md442b12de6e0

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