チャールズ国王が、風力発電所契約から得た10億ポンド(約1582億円)の利益を、王室ではなく「公共善」に使う意向を明らかにした。クラウン・エステート(英国王に帰属する土地や権利の総体)が、風力発電へ向けた新たな6件の沖合借地契約を発表した後、王室がその利益を得るつもりがないことを発表した。
バッキンガム宮殿はこう声明を出している。「国王の御内帑金の管理者は、沖合電力発電による予定外の利益を、王室助成金に使われるクラウン・エステート超過分の一部を減額するというかたちで、王室助成金ではなく公益善に向けたいという国王の意向を首相と大蔵大臣に書簡で伝えました」
王室は国家財政を支えるため土地から得る収入から毎年3億1200万ポンド(約494億円)以上を国家財政委員会に渡している。
クラウン・エステートの最高経営責任者ガス・ジャスパート氏は「きょうは、イギリスのネットゼロへの道のりにおいて重要な節目を迎えました。700万戸以上に向けた環境に優しい電力の可能性を解き放ち、イギリスの沖合風力発電産業が、気候変動における挑戦に対応するペースで成長していることを示しています」と語る。
国王は、自身にとって初めてとなった昨年のクリスマスのスピーチで、物価上昇危機によりイギリスの人々が苦境に立たされていることに関し言及していた。