ヒップホップ界の重鎮 自身の全音楽資産を260億円で売却へ 取り戻した『ザ・クロニック』のマスター音源も

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ドクター・ドレー
ドクター・ドレー

 ヒップホップ界の重鎮ドクター・ドレーが近々、自身の全音楽資産を2億ドル(約262億円)で売却することになりそうだ。この巨額取引では、8月にデス・ロウ・エンターテインメントから取り戻した1992年のデビューアルバム『ザ・クロニック』のマスター音源の所有権がユニバーサルミュージックグループ(UMG)に渡るという。

 UMGとの契約には、トップ・ドッグ・エンターテインメントがUMG傘下のインタースコープと締結した、ケンドリック・ラマーの楽曲におけるドクター・ドレーの取り分も含まれるとビルボードが報じている。

 UMGへの売却と同時に、アフターマス・エンターテイメントとビーツ・エレクトロニクスのCEOでもあるドクター・ドレーは、最初の2枚のソロアルバムからのアーティスト印税やプロデューサー印税、出版権を所有しない楽曲の作曲印税、そしてN.W.Aのアーティスト印税をシャムロック・キャピタルに渡すという。

 ちなみにスヌープ・ドッグは昨年、デス・ロウ・レコードのオーナーとなっている。

 『ザ・クロニック』でフィーチャーされ一躍有名になったスヌープは、自身のキャリアをスタートさせたレーベルであるデス・ロウ・レコードを非公開の金額でMNRKミュージックグループから買収し、こう語っていた。

 「アイコニックで業界に大きな影響を与えてきたデス・ロウ・ レコード という、これからも計り知れない未開発の価値を持つブランドを手に入れる機会を得たことに、感激し感謝してる」「キャリアの初期に、そして創設メンバーの一人として所属していたレーベルのオーナーシップを持つことは、とても良い気分だ。これは俺にとって非常に意味のある瞬間なんだ」

 故2パックやネイト・ドッグも以前所属していた同レーベルは、2006年に破産申請を行い、創設者の1人でCEOを務めていたシュグ・ナイトが深刻な財政・法律問題に直面したため2012年に売却。スヌープは一昨年11月にエグゼクティブ・クリエイティブ・戦略コンサルタントに就任した際、デス・ロウを所有したいとの意向を表明していた。ナイトは2015年にひき逃げ死亡事故を起こし、現在28年の実刑判決を受け服役している。

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