れいわ山本太郎代表と一問一答 水道橋博士はなぜ議員辞職?「無理をしてやると破壊される。回避すべき」

杉田 康人 杉田 康人
水道橋博士参院議員の議員辞職を発表したれいわ新選組の山本太郎代表
水道橋博士参院議員の議員辞職を発表したれいわ新選組の山本太郎代表

 2022年7月の参院選全国比例で当選したれいわ新選組の水道橋博士参院議員(60)が16日、参院議長宛に辞職届を提出し、受理された。博士氏は重度のうつ病のため、同年10月24日以降すべての活動を休んでいた。同党の山本太郎代表(48)、大石晃子共同代表(45)が同日、国会内で会見し、議員辞職の経緯などを説明した。以下、山本氏の経緯説明と一問一答。

 「昨年の12月から、博士自身から議員辞職をしたいと複数回強く伝えられてきました。最も不調をきたしている混乱状態の中で、物事の決断を行うということは避けた方が良いと医師からのアドバイスがあり、今は決断しないということを選んできた。一方で、博士の中では当選したけれども議員としての活動ができていないっていう焦りとか、申し訳なさみたいなものがどんどん強まっていった」

 (続けて)「強く希望する辞職というものを受け入れるべきか。このまま休職を続けるべきか。昨年ドクターストップを決めた主治医に再度、博士の状態を判断いただくということとなりました。今の時点で辞職を決断することは妥当なのか。医師は病状は改善に向かい、辞職したいという気持ちは一貫していて、そこまで強い思いであるならば辞職を選んでも良い。今の博士の判断は不調の影響された極端な判断ではないという答えが出ました。回復するまで何年でも休職をして私達は問題がないという立場だったんですけど本人が判断できる状況だということが医師からできましたので、博士が今一番望む形、方法を選ぶこととして辞職を受け入れました」

 ―博士氏から有権者へメッセージなどはあるか

 「何かしらメッセージを用意しているというわけではございません。症状に関しましては、アップダウンがございます。なので、ちょっと落ち着いた頃に何かしらのメッセージを出していただくということになる」

 ―辞職となると、心身不調の人は結局仕事をやめないといけないのではというメッセージにならないか

 「その心配はない。不調に関して、期間を定めずに回復を待つよというような姿勢がが一番重要。働く側が自身の判断で、その期間をもって復職を目指すのか、それとも一方でその途中で辞職をする職を離れるということを判断するのか。それぞれの個人の判断がある。誰かしらに強制されたものではない。みんなの期待に応えられないという気持ちから、辞職というものを選ばれた」

 ―党代表としてではなく、山本太郎個人としての受け止めは

 「参議院の中の名物議員になれるぐらいのポテンシャルがあったが、一方で私達の見えないところで苦しまれていたっていうことも数多くあったんだろう。政治家という立場で権力と対峙していきながら、みんなのために仕事をしていく立場に置かれたときの不安感であったりいろんなものが自分の入り混じっていくっていう中で、その不調というものが大きくなってしまったんだろうということを考えると、自分ごと。私もそういう状況に陥る可能性は十分にある」

 (続けて)「自分を含めてメンバーもスタッフも1人でも、多くの方々がこの状況に陥らないためには何をしていくべきなのかってことをやっぱ考えていかなきゃいけない。人生ってある地点だけを見て何かを語れるものじゃないですよね。この先にも博士の人生は続いていく。だから、一つの地点だけでどうしても評価されるっていうのが世の中ですけど。絶対にそういうことは避けなきゃいけないな。自分自身も、自分たちに関わる仲間たちも、見ていく必要があるという大きな学びをいただいた」

 ―辞職はもったいないと思う有権者もいる

 「議員という以外にも、人間・水道橋博士という部分もあるわけですよ、どちらかというとそちらが主体。無理をして(議員を)やることで水道橋博士というものが破壊されるものであるならば、私はその道はやはり回避するべき。周りがとやかく言う局面ではない。自分の症状というものを世間にオープンにした上で、その中で判断をしていくこと。病気を隠さず、多くの方々に対して大きなメッセージを送ったことっていうのは非常に価値がある。国会議員としての活動は例えなかったとしても、国会議員として大きなことを成し遂げた。世間に対して、メッセージを投げかけたっていうのは大きなもの。そういう部分をやはり評価をしていただきたい」

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