ぬいぐるみのマリンバ3重奏「ずっと見てしまう」 一生懸命なかわいさとプロ演奏のギャップが人気

 くまとカエルのぬいぐるみ3匹が一心不乱に鍵盤を打つ”ぬいぐるみマリンバ3重奏”の動画がTikTokやYouTubeで注目を集めている。ぬいぐるみの”魂”を宿して演奏するのはプロ打楽器演奏家。かわいいぬいぐるみがキレのある動きで演奏する姿にSNS上は「一生懸命な感じで可愛い」「ずっと見てしまう」「可愛すぎて涙出た」と盛り上がっている。

 話題になったのは、白くま、茶くま、緑色のカエルのぬいぐるみが横一列に並び、大きな鍵盤打楽器「マリンバ」を演奏する動画。鍵盤を見つめながら大きく手を動かすくまと、口を開いた陽気な風貌で体を跳ねさせながら演奏するカエルの姿に「茶色い熊さんの職人感すき」「白くまさん頑張ってる」「カエルの陽気さ好き」とコメントが寄せられた。

 動画内でぬいぐるみと一体になり演奏するのは、プロ打楽器演奏者の嶋崎雄斗さん、嶋崎友紀さん、磯田日向子さん。嶋崎雄斗さんが代表を務める打楽器アンサンブル団体「東京 percussive pedia」のコンサートで披露する演目の一つに考案されたことがきっかけで、約8年前にぬいぐるみ演奏をはじめた。嶋崎さんのYouTubeチャンネルとTikTok(@shimazaki_yuto)で動画を公開している。

 茶色のくま「チャールズ」は、真面目な性格、ひょうひょうとした飄のくま「ぽんた」はマイペース、カエルの「ミカエル」は「破天荒な感じ」(嶋崎さん)など個性がある。ぬいぐるみたちがリアルに演奏しているように見せるため、嶋崎さんらが演奏中に膝を屈伸させ弾みをつけたり、激しい動きになりやすい曲を選んだりと工夫する。

 「(ぬいぐるみの)手が短いので届かなかったり、可動域が狭いのでマレット(演奏用のばち)どうしがぶつかりやすかったりすることはあります」と、通常の演奏時と比べ動きに制限がある。ぬいぐるみ演奏の音楽的クオリティーは「われわれからすると拙いです」というが、視聴者からは「可愛いし難しいのにリズムずれたりしなくてすごい」と技術に感嘆するコメントも寄せられる。嶋崎さんは「かわいいぬいぐるみが一生懸命やってる感じがあるのがギャップで余計にうまく見えるのかもしれない」と語った。

 動画は介護施設などでも見られているといい、気難しい入所者がぬいぐるみ演奏を見ると幸せそうな顔をすると感謝の手紙を受けたこともあった。ぬいぐるみ演奏を指定した出演依頼も来るという。嶋崎さんによると、ぬいぐるみ演奏YouTube動画の視聴者は「ほぼ大人」。「ぬいぐるみファンですって連絡は大人の方からめちゃくちゃ来るので皆さん疲れてるんだなと(笑)。癒やしがほしいんだろうなと」と笑って話した。

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