クリストファー・ノーラン監督は、映画『オッペンハイマー』の撮影でCGI効果なしで核兵器爆発を再現したという。キリアン・マーフィーが「原爆の父」として知られる理論物理学者ロバート・オッペンハイマー役を演じる新作のメガホンをとる監督が、核兵器爆発シーンについて語った。
ノーラン監督はトータル・フィルム誌にこう話している。「コンピューター・グラフィックを使わずに(米ニューメキシコ州で行われた人類初の核実験である)トリニティ実験を再現するのは巨大な挑戦だったと思います」
「私の視覚効果責任者で初期から関わっていたアンドリュー・ジャクソンは、映画の多くの視覚要素を実際にどう撮るのかというのを検討していました。量子動力学や量子物理学の表現から、トリニティ実験自体を再現するまでです。私のチームと共に、映画にその多くが必要だった、ニューメキシコ州の驚くべき気候の中、(周囲が急斜面で頂上が平らな地形)メサの上で、非常に厳しい環境の中で行うのは実際に巨大な挑戦でした」
『ダンケルク』『TENETテネット』などで知られるノーラン監督は、エミリー・ブラントやマット・デイモンも出演し、来年7月に公開予定のこの新作はキャリアを通し「最も困難な」映画の一つだったという。
「スケールや、オッペンハイマーのストーリーの幅に直面するといった点で、これまで私が手掛けた中で最も困難なものの一つです」「大きなロジスティック上の挑戦や実質上の挑戦がありました。しかし私には素晴らしいクルーがいて、彼らが全力を注いでくれました。完成するまでにはまだ時間がかかります。映画をつなぎ合わせ、その結果を観ていますが、私のチームが成し遂げたことを確実に嬉しく思っていますよ」