一番面白い女芸人を決定する「女芸人No.1決定戦 THE W 2022」が10日、東京・汐留の日本テレビから生放送され、天才ピアニストが735組の頂点に立ち、第6代女王に輝いた。優勝賞金1000万円、日本テレビの番組出演権を獲得。竹内知咲(30)とますみ(35)はキングオブコント、M―1などタイトル総ナメを目標に掲げ「トロフィーな女になりたい」と誓った。
天才ピアニストの二人の目に涙があふれた。最終決戦では家族の食卓でVRを軸に母娘が展開するコントを披露。どうぶつと会話できる異形のモヒカン女性を軸にコントを行ったヨネダ2000が2票、互いのグチを全力で支持する漫才を行った紅しょうがの1票を抑えて4票を獲得。芸歴7年目、2年連続2度目の決勝で最高の結果を出した。ますみは最終決戦でオダウエダに敗れた前回を思い起こし、感激の涙を流した。
大阪を中心に毎月単独ライブを行い、ネタを磨いてきた。竹内が「当たり負けしないネタを選んだ」と胸を張ったのも、豊富なネタがあるからこそ。ファーストステージではトップバッターで浮気を疑いケンカする彼女とそれを観察する女性をモチーフにしたコントを披露。得票率100%の圧勝で最終決戦に進み、その勢いは止まらなかった。「毎月単独ライブをやるのは相当しんどいこと。文句も言わずずっと一緒にやってきてくれたのはありがたい」と相方に感謝した。
ますみは「最終決戦のネタの方は準決勝でちょっとミスがあって消化不良のところがあったので、ベストパフォーマンスをやりたかった。それを100点でできた。優勝できて、消化不良でモヤモヤした気持ちが晴れたことが、嬉しいですね」とはにかんだ。
飛躍の転機もTHE Wだった。一昨年は次点に泣き、決勝舞台を逃した。ますみは「リザーブ枠でリハーサルだけやって帰りました。お弁当もちょっとランクが下で、めちゃくちゃ悔しかった。それまでは半年に1回しか単独ライブをしてなかったんですけど、もう絶対に優勝する思いで、それ以降は毎月単独ライブやってきました」とうなずいた。
賞金1000万円は二人で分けた上で、コント衣装の新調を掲げた二人。竹内は「両親が教師で、真面目に育てたのにこんな形になってしまった。ひとつ結果を出せたので、芸人になるのを許してくれてありがとうと伝えたい」と言葉をつむいだ。看護師から転身したますみは「当時の看護師長さんに優勝を伝えたい。もう主任になるって声がかかっていたので」と感謝を口にした。
それでも、TEH Wはあくまで通過点。「取れる賞は総ナメしたい。全部取りに行きたい。関西の賞レースももちろん、キングオブコント、M―1グランプリも全部取るつもり。トロフィーな女性になるつもりです」とキッパリ。互いにさらなる成長を誓った。
審査員は川島明(麒麟)、田中卓志(アンガールズ)、塚地武雅(ドランクドラゴン)、哲夫(笑い飯)、友近、野田クリスタル(マヂカルラブリー)に国民投票枠(視聴者データ放送)を加えた7票。審査方法は出場12組が、4組ずつAブロック、Bブロック、Cブロックに分かれ、1ネタ終えるごとに審査員による決戦投票で勝ち残りを決定し、各ブロック4組目終了時の暫定1位が最終決戦に進出する。最終決戦では川島明が天才ピアニスト、田中卓志がヨネダ2000、塚地武雅が天才ピアニスト、哲夫が紅しょうが、友近が天才ピアニスト、野田クリスタルがヨネダ2000、国民投票枠は天才ピアニストに投票。天才ピアニストが最多得票となり、栄冠を手にした。
◆ファイナリスト12組…TEAM BANANA(吉本興業=3年連続3度目)、ヨネダ2000(2年連続2度目)、さとなかほがらか(浅井企画=初)、Aマッソ(ワタナベエンターテインメント=3年連続3度目)、天才ピアニスト(吉本興業=2年連続2度目)、爛々(吉本興業=初)、スパイク(吉本興業=3年連続3度目)、フタリシズカかりこる(ワタナベエンターテインメント=初)、河邑ミク(松竹芸能=初)、エルフ(吉本興業=初)、紅しょうが(吉本興業=3年連続4度目)、にぼしいわし(フリー=2年ぶり3度目)