優れたネーミングを表彰する「日本ネーミング大賞2022」が2日に行われ、江崎グリコの菓子「グリコ」が「日本ネーミング大賞 レジェンド賞」を受賞した。
1922年2月の発売から100周年を迎え、今も慣れ親しまれているネーミングを確立したことが評価された。栄養菓子の「グリコ」は、栄養素グリコーゲンの最初の3文字から名付けられた。「語呂が良く覚えやすい。画数が8画で縁起も良い。広告でスペースを取らず広告効果が高い」という理由で、当初は「グリコキャラメルの方が良いのではないか」との意見もあったが、キャラメルではなく、新たなジャンルの商品であることを強調するため、「グリコ」という名称に収まったという。
また、ネーミング以外にも、当時珍しかった赤色をパッケージに採用し、中央には「健康のシンボル」としてゴールインマークを据え、中身のお菓子は四角ではなくハート形に、「1粒で300メートル」というキャッチコピーを用いるなど、独自性が追求された。
同菓⼦は、創業者・江崎利⼀が牡蠣に含まれる栄養素グリコーゲンをキャラメルに入れて発売した商品。創業者は故郷である佐賀県で薬種業を営んでおり、グリコーゲンに着目した当初は、それを薬にして販売することを考えた。しかし、「これからは治療より予防が⼤切」と、健康増進に活⽤することを決意。グリコーゲンを菓⼦に仲介させ、⼦どもをはじめ多くの⼈に届けることで、国⺠の健康に役⽴てることができると考えた。また、創業者は健康には“⾝体”と“⼼”の両⽅が必要であり、⼦どもにとってそれは”⾷べること”と”遊ぶこと”であると考えた。そこで⽣まれたのが「おもちゃ付きグリコ」でした。おもちゃは時代とともに形を変え、現在は、ぬくもりが感じられる木のおもちゃシリーズで、専用アプリをダウンロードすればスマートフォンでも楽しむことがでる。
なお、第3回を迎えた同大賞の各賞に選出されたネーミングは次の通り。
「日本ネーミング大賞 2022」▶最優秀賞(大賞)…ほぼカニ(カネテツデリカフーズ) ▶部門1 優秀賞:食品・飲料・アルコール・菓子・調味料・サプリ・アイス・スイーツ…ほぼカニ(カネテツデリカフーズ) ▶部門2 優秀賞:化粧品・トイレタリー・医薬品・雑貨・日用品・アパレル…鉄印帳(第三セクター鉄道等協議会、日本旅行、読売旅行、旅行読売出版) ▶部門3 優秀賞:家電・ゲーム・通信・自動車・情報サービス・アプリ・交通・物流・旅行…アラウーノ(パナソニック ハウジングソリューションズ) ▶部門4 優秀賞:店舗・不動産・商業施設・屋号・社名…シャボン玉石けん(シャボン玉石けん) ▶部門5 優秀賞:その他…メルカリ(メルカリ) ▶ルーキー部門 最優秀賞…生ジョッキ缶(アサヒビール)、闇落ちとまと(曽我農園)、バンザイ山椒(岩塚製菓) ▶地域ソウルブランド部門 最優秀賞…かりゆし(沖縄県衣類縫製品工業組合)、BLUE SEAL(フォーモスト ブルーシール)、サンゴに優しい日焼け止め(ジーエルイー) ▶審査委員特別賞…おうちにかえろう。病院 (TEAM BLUE=医療法人社団 焔)、ちんこすこう(ワンダーリューキュー) ▶グリコ(江崎グリコ)、ノーシン(アラクス)