赤い缶の「サクマ式ドロップス」年内で生産終了 緑の「サクマドロップス」は別物で資本関係なし なぜ2つある?

杉田 康人 杉田 康人
サクマ式ドロップス
サクマ式ドロップス

 赤色の缶に入ったキャンディー「サクマ式ドロップス」が看板商品の製菓メーカー・佐久間製菓(東京都豊島区)が、2023年1月20日に自主廃業することが9日、分かった。同社がよろず~ニュースの取材に明らかにした。

 サクマ式ドロップスは、1908年(明治41)から販売される超ロングセラー商品。故・野坂昭如氏原作のアニメ映画「火垂るの墓」のワンシーンにも登場する。コロナ禍による販売減や、原材料の高騰で114年の歴史に幕を閉じる。

 同社の担当者によると、年内でサクマ式ドロップスの生産・出荷を終了。店舗の在庫がなくなり次第、終売となる。

 都内にある佐久間製菓の本社ビルには赤い缶が積み上げられたショーウインドウがあり、一部報道で自主廃業が伝えられると多くの通行人がスマホを向けていた。担当者は「赤い缶のサクマ式ドロップスが欲しいという電話や、いつまでも応援していますという電話がありました」と、消費者から突然の別れを惜しむ声が殺到しているという。

 緑色の缶に入った「サクマドロップス」を生産するサクマ製菓(東京都目黒区)は資本関係がない別会社で、サクマドロップスの生産は継続される。なぜ別会社が造る「サクマ」のドロップが存在するのか?

 佐久間製菓の担当者は「もともと、戦前からサクマ式ドロップスを製造していたのですが、戦争で一度解散しました。戦後、会社は復興しましたが、勤めていた者によってドロップを造る会社が乱立したと聞いております」と説明。源流となった赤色の缶は、惜しまれながら姿を消す。

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