オリックスや米大リーグ・マリナーズなどで活躍したイチロー氏(49)が、9日から始まるコナミのモバイルゲーム「実況パワフルプロ野球」(パワプロアプリ)とのコラボレーション第2弾で投手として初登場する。同氏は公式YouTubeチャンネルで公開されたインタビュー動画で、高校3年時の春に投手として甲子園に出場した際、イップスだったことを振り返った。
打者ではなく自分との戦いだった。高校2年時の交通事故がきっかけで、一度1塁手に転向。その際についた癖の影響で、速球が投げられなくなりイップスに陥った。甲子園のマウンドでは身体を大きく使うよう、投球フォームを意識しながら腕を振った。イチロー氏は「甲子園で投げている投手がイップスを治すためにそこだけ意識して投げてる。だからまったくピッチングじゃないんですよ。ただ投げているだけなんです。そんな投手はあんまりいないと思います。甲子園ですからね。俺のイップスを治すためにやってましたから」と笑った。
イップスが発症せず、投手として大成していたら…?ゲーム内に登場する「投手・イチロー」は「もし、イチローが投手だったら」をテーマに、同氏が回答したアンケート結果を踏まえ、能力が設定された。直球の最速は151キロで、これはオリックス・ブルーウェーブ時代、仰木彬監督が宮古島キャンプで実施した「野手スピードガンコンテスト」で150キロを2球投げたことが由来しているという。「それが僕の今までのマックスなんですよ。(ゲームでは)1キロ増してますけど。まあ51番だしね」とうなずいた。
変化球は、同氏が今でも投げられるというスライダー、カーブ、チェンジアップ、ツーシームの4球種が搭載された。現役時代、ブルペン投球でフォークを披露したこともあったが「佐々木(主浩)さんみたいなのを見ると…これが本物のフォークだって」と見送った理由を明かした。
マーリンズ時代の、メジャー初登板の経験も込めた。4点ビハインドの8回裏から登板。打者5人に対し、18球、2安打1失点無四球だった。「あの時に考えたのは僕の後にブルペンの投手を使わせられない。四球でランナーをためて点を取られる。これもダメ。僕が投手に期待している、テンポよく投げることだけを意識していました」と振り返った。
ゲームの特殊能力「強心臓」「不屈の魂」「勝利の星」「ド根性」は野手目線に基づいて希望したといい、「僕ら野手って毎日プレーするので。野手の気持ちを考えてほしいんですよね。その時に僕はこの4つがほしい」と話した。
理想の投手像についても語った。「(ローテーションの)一度も穴をあけないピッチャーになりたい。勝とうが負けようが、どんな時も5日に1回はそこに立っている。計算しやすいっていうか、『あいつは必ずいる』そういう選手になりたい」と言葉に力を込めた。