映画「モータル・コンバット」シリーズでシャン・ツンを演じた俳優ケイリー=ヒロユキ・タガワさんが、12月4日、カリフォルニア州サンタバーバラで亡くなった。75歳だった。代理人は「ピープル」誌に対し、死因は脳卒中の合併症であることを明らかにしている。
家族は声明を発表し「ケイリーは稀有な魂であり、寛大で思慮深く、常に演技に献身していました。その喪失は計り知れません」と追悼した。
「ラスト・エンペラー」(1988年)で映画デビューを果たしたタガワさんは、映画「モータル・コンバット」(1996年)でシャン・ツン役を演じ、注目を集めた。その後もWebシリーズやTVドラマでも同役を再演し、シリーズの象徴的存在となった。「007/消されたライセンス」(1989年)や「パール・ハーバー」(2001年)といった映画に出演したほか、テレビの世界でも活躍し、amazonドラマ「高い城の男」など数々の人気ドラマにも出演した。
「ヒマラヤ杉に降る雪」(2000年)では女優・工藤夕貴と共演。「SAYURI」(2005年)では役所広司、渡辺謙、桃井かおりらと共演し、日本で行われたワールドプレミアにも参加した。
東京生まれのタガワさんは、米陸軍に勤務していた父の転勤に伴い、5歳でノースカロライナ州フォートブラッグに移住。その後ルイジアナ州やテキサス州で育ち、カリフォルニア州デュアーテ高校に進学後、演技を始めた。
しかし1950年代の米南部で日本人として暮らすことは困難だったという。2010年のデッドラインによるインタビューでは「日本人として南部で暮らすのはとても厳しかった」と振り返っていた。