世間の“値上げラッシュ”に逆走「全品値下げ」の精肉店があった 国産豚薄切りが「100g税込み80円」に

 食料品の値上げラッシュが続くなか、大阪市内の精肉店チェーン「肉 まんのや」は1日から、全商品を値下げして販売を始めた。

 和牛や豚肉、弁当、焼肉のたれなど、大阪市内の2店舗で販売する約100商品を対象に、平均およそ3%値下げした。特に値下げが際立つのは、約9%ダウンした「純国産豚ホームカット薄切」。国産豚肉こま切れは100グラム約130円前後で兵庫県神戸市内の一般的なスーパーマーケットに並ぶが、「―まんのや」では国産ブランド豚・南国スイートの薄切りを100グラム税込み80円で提供する。他にも、焼肉用和牛カルビや赤身は100グラムあたり約10~20円値下げして販売する。

 世間でさまざまな商品の値上げが続く中、全商品を値下げする施策を展開。同店を運営する株式会社萬野屋の大塚伸介さんは「われわれの商売は地域の住民の方に支持されていないと成り立たない。(原価は上がっているが)値上げしたらお客さんが離れていく確率が高いんじゃないか」と、値下げに踏み切った理由を話した。

 100グラム80円で販売する国産豚肉薄切りは、家庭料理に重宝されやすく同店で最も販売数が多い人気商品だという。「一番使ってもらえるやつを、あえて値下げの幅を大きくした。そのぶん、来店の頻度を上げてもらえたら」と購入意欲アップを期待する。

 世の中の値上げラッシュで「包装資材も、豚肉も牛肉も仕入れ値は当然、上がっています」。円安も影響し、アメリカ産の牛タンや牛ハラミは仕入れ値が3~4割上がったものもあるという。「利幅を薄く」する決断だが、簡易包装で経費を抑えるなどの開店当時から続く経営努力で低価格を実現した。

 値下げ価格での販売は寺田町本店とホワイティうめだ店で11月末まで。大塚さんは「好評であればその後も続けていくつもりです」と継続に前向きな姿勢を見せていた。

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