将棋の駒を擬人化した漫画がSNS上で大きな注目を集めている。
件の漫画「対局帰りの将棋の駒たちを紹介したのはこの作品の作者で漫画家の杉野アキユキさん(@sugino_akiyuki)。
待遇や低賃金を嘆く「歩」、対局中、一度も動かなかった「香車」を給料泥棒とののしる「桂馬」…
なんとも人間臭く哀愁あふれる将棋の駒たちの姿をいきいきを描いたこの作品に対し、SNSユーザー達からは
「でも、こんなに苦労してる『歩』さんも、
成り上がって成金になったら、成金ムーヴかましそう」
「桂馬と銀の呑んでるところで、喧嘩しそーと思ってたら案の定してて草
桂馬からしたら銀なんて目の上のタンコブですからね!」
「でもこの駒たちも『駒は取られる瞬間が一番輝く』とか言われてるんだぜ。まるで死後、評価される画家じゃないか(ノД`)」
「なにこれ…
めちゃくちゃめちゃくちゃ面白いんですけど!!!!!!!!!
続編求む!!!!!!!!!!!」
など数々の絶賛の声が寄せられている。
杉野さんにお話を聞いた。
ーー将棋の駒たちを擬人化した作品を書かれようと思われた経緯をお聞かせください。
杉野:1作目を描いたのがかなり前なので、詳しくは忘れてしまいましたが…
将棋をテーマに漫画を描く上で、なにか面白い題材はないかと考えている時に、映画の「トイストーリー」を観て思い付いた記憶があります。
ーーかなり人間くさい哀愁を感じる今回のストーリーですが、表現したかった世界観やメッセージについてお聞かせください。
杉野:なるべく人間っぽく描くことを意識しました。社会で働く人は、皆さん立場や役職によって悩みや葛藤があると思います。そこで、どなたにも楽しんでいただけるように、普遍的で共感してもらえそうな内容にしました。
私も会社員の時には、「金」のようにやりたくない仕事をやらされたり、「香車」のように仕事を与えてもらえず嘆いたり、「桂馬」のように調子に乗ったことがあったので、そこを駒たちに投影できたのではと感じています。
ーーこれまでの反響やコメントについてご感想をお聞かせください。
杉野:多くの反響をいただき、とても嬉しいです。今後の創作活動の励みになりました。
「続きが読みたい」という感想を多くいただけたので、また機会があれば続編を描きたいと思っております!読者の皆様、漫画を読んでいただき誠にありがとうございました。
◇ ◇
杉野さんは今年3月に今回ご紹介した「対局帰りの将棋の駒たち」などTwitter上で公開していた将棋漫画を一冊にまとめた「将棋漫画まとめました。」を発売している。「将棋が義務教育化された世界」「漫画家が将棋に救われた話」など興味深いタイトルばかり。ご興味ある方はぜひチェックしていただきたい。
杉野アキユキさんプロフィール
Twitterアカウント:https://twitter.com/sugino_akiyuki
「将棋漫画まとめました。」:https://www.amazon.co.jp/dp/B09W5J1NHT/ref=mp_s_a_1_7?crid=24318MJ0PACRR