「スマホをやめて本を読め」と書かれた本のような見た目のスマートフォンケースが、ツイッターで注目を集めている。4年前の発売時から注文がやまないロングセラー商品で、作者は”本離れ”に「自戒も込めて」制作したという。
スマホを操作していても読書しているかのように見える手帳型スマホケース。「スマホをやめて本を読め」という架空の書籍名が描かれ、スマホを使っている行為と書籍タイトルの矛盾を皮肉っているようにも捉えられる。
このユーモアある作品を作ったのは、雑貨制作会社エコードワークスのフクサワタカユキさん。”新書らしさ”を作り出す表紙風のデザインは、実在する複数の出版社の新書にあるデザイン要素を組み合わせ「一目でわかる新書らしさ」を表現した。「スマホをやめて本を読め」のタイトルも、「自己啓発本にありそう」というイメージで名付けたという。
「帯」の宣伝文は”新書あるある”と見せかけ、よく見ると「みんなが絶賛!!」の文字が。「いい加減でバカっぽい表現」で、「偽物っぽさ」も醸し出した。
作品を生み出したのは約4年前。当時、スマホの普及で本離れが起きていると言われる風潮や、スマホを触るよりもその時間で読書した方がためになると考えられる世の中の傾向を感じたことがひらめきの一端になった。
書籍名については、「私も読書家ではないので人に対して『本を読め』と思っていない」とフクサワさんの主張を込めたわけではない。自身に対しては「もうちょっと本を読んだら」と感じるといい 「自戒も込めて、みんな自分の心の中で引っかかっている部分があるんじゃないかなということを言語化した」と作品への思いを語った。
発売時にツイッターで話題になり、想定より「何倍も多い」注文を受けた。今月9日の投稿は約4年ぶりに大きな話題になり、4・9万件のいいねを獲得。直近半年間の注文数を1日で受け付けた。学生とみられるツイッターユーザーからの反応が多かったといい、フクサワさんは「反応してもらった人の中には、約4年前のことを知らないから新鮮に感じられたと思う」と再注目の理由を推測している。
作品はエコードワークスの公式オンラインストアで受注生産で販売中。