歌手のミカベン(本名ミカエル・ベンジャミン)がステージで倒れ、死亡した。41歳だった。
15日にパリのアコー・アリーナで、音楽グループ、カリミのゲストとして出演していたミカベンはステージを降りる際に地面に倒れた。ファンに衝撃を与えたが、後に心筋梗塞または心停止の疑いで帰らぬ人となったことが明らかになった。
2万人収容の同アリーナは16日、歌手ライオネル・ベンジャミンの息子であるミカベンがステージ上で発作を起こし、救急隊の努力にもかかわらず亡くなりましたとツイッターで発表した。
このライブのビデオ映像では、歌手のミカエル・ギランが「コンサートは終わりです。会場から出てもらわなければなりません」と観客に訴え「非常に複雑な状況です。祈りが必要なんです」とライブを打ち切ったことが見て取れる。
ミカベンの祖国ハイチのアリエル・ヘンリー首相はツイッターで「若くてとても才能のあるアーティスト、マイケル・ベンジャミン『ミカベン』の突然の死にショックを受けています。ハイチ音楽の重要な人物を失いました」と追悼の意を表している。
また同国のジャン・ヘンリー・セアント前首相は、「同世代で最も才能のあるアーティストの一人」と故人を称賛した。
ハイチ出身のワイクリフ・ジョンは、マイアミ・ヘラルド紙の取材に対して、ミカベンを「我々の世代で最も影響力があり、インスピレーションを与えてくれる若いアーティストの一人」だったと評し、ツイッターで「早すぎる死だ」と付け加えた。
ロベルト・マルティーノは同紙に対し、ミカベンがステージに上がる前に話をしたばかりだったことから、彼の死が「信じられない」と語っている。
「何年も一緒に仕事をしてきて、兄弟、親友のように思っていた人だった。ほとんど毎日一緒におしゃべりをしていた」と故人との思い出を語り、「彼はとても喜んで、カリミのステージに立つのが待ちきれなかった。彼の人生における最大の業績の一つだったんだ。彼が憧れていたバンドだったから」と続けた。
マジック9ラジオの特別番組で、歌手のタマラ・スフレンはこの死を近年色々な問題を抱えている「国への打撃」と呼んだ。残された妊娠中の妻ヴァネッサは「話せる状態ではありません。もう一人の自分を失い、言葉もありません」と綴っている。