サンシャイン池崎(41)とバイク川崎バイク(以下BKB=42)のピン芸人同士が組んだユニット、シャウトが14日、東京・浅草の雷5656会館で開催された、日本一の若手漫才師を決めるM―1グランプリの2回戦に出場した。
池崎の「イエ~‼」「OK!」「ジャ~スティス‼」、BKBの「ヒィーーアッ‼」「ブンブン」「BKB」といった、互いの得意フレーズを封印。絶叫調のボケとツッコミが幾度も入れ替わるテクニカルな漫才を披露した。十分な笑いを集めたが、池崎は「ミスなくやれたが、(ウケが)爆発とまではいかなかった」と険しい表情。2014年にR―1グランプリファイナリストの実績を持つBKBも「M―1ファイナリストという称号は、他のどの賞レースよりも夢しかない。追い続けたい」と、勝負師の顔を崩さずに語った。
シャウトは2016年のM―1前に即席ユニットを組み出場。3回戦では互いの得意フレーズを活用して爆笑を集めたが敗退。BKBは「ちゃんと審査員はネタの中身を見てるんだな」と、闘志に火がついた。池崎が「僕らはビジネスライクではなく、ソウルメイトとして付き合っている。ユニット以上、コンビ未満です」と語るように、最近はシャウトとしてネタ番組に出演するまでに腕を磨き続けている。今年4月にはシャウトとして初の単独公演を成功させ、池崎が「これは戦える」という自信のネタを引っさげ今回のM―1に挑む。
ユニットのきっかけは2014年。BKBは〝東のバイク川崎バイク〟としてネットで話題に上る池崎を、池崎は〝西のサンシャイン池崎〟として耳にするBKBを互いに意識。東京・阿佐ヶ谷での地下ライブで初対面し、意気投合した。ライブでの共演を経て16年の結成に至った。BKBは「池崎は大ざっぱなのに対し、僕は笑いには神経質。ふたりは性格が正反対だから、相性が良かったと思う」と振り返った。今回の大会前には、撮影した漫才動画を見ながら、互いに意見を出し合い、声量やタイミングを調整した。
この日夜に発表された3回戦進出者に、名を連ねたシャウト。2016年、昨年の自己最高に並んだが、慢心も達成感もない。BKBは自身が昨年まで7年連続でM―1決勝の前説を担当していることに触れ「シャウトが決勝に進んで、前説を卒業できたら格好いい」と先を見据えた。池崎も「ネタ数をふやしてシャウトとしての仕事を増やしたい。ロケに行きたいし、『ラヴィット』にも出られれば」と成長を誓った。
ピン芸人による本気すぎる〝ユニット以上、コンビ未満〟のふたり。BKBは「一緒に少しずつ積み重ねてきた。僕たちはまだピークではない」とした上で、「徐々にオイルが蓄えられていますね。バイクだけにブンブン!」とキッパリ。ふたりでブンブンポーズを決め、引きあげていった。