BLACKPINK(ブラックピンク)のジェニー側が、ついに動き出した。
10月3日、ジェニーの所属事務所であるYGエンターテインメント(以下、YG)が、プライベート写真流出に関して、韓国警察に捜査依頼を行ったのである。
YGは「ジェニーのプライベート写真を最初に流布した者に対して、警察に捜査を依頼した」と発表。
また、一貫して沈黙するというスタンスを取りやめ、捜査依頼に踏み切った理由については「追加被害を最小限に抑えるため、同事案に言及する事を自制していた」とした上で「流出によるデマの拡散や非難、中傷が同時多発的に巻き起こり、これ以上黙過できないという責任を感じた」と、経緯を説明している。
事態が一変し、写真を流布した者に対して本格的な反撃を予告したYG。
しかし、韓国ネットユーザーの間では「海外にいる犯人を捕まえる事ができるのか」と、捜査難航を予想する声も。
彼・彼女たちが、ハッキング犯を“海外にいる”と特定するには、それなりの理由があった。
それは犯人が、海外のソーシャルプラットフォーム『テレグラム(Telegram)』を使い、流暢な英語で自身の犯行についてメッセージを発信しているためだ。
テレグラムは、2013年にロシアのニコライ・ドゥーロフ(Николай Дуров, Nikolai Durov)とパーヴェル・ドゥーロフ(Павел Дуров, Pavel Durov)兄弟が開発したもので、現在数億人のユーザーを抱える人気メッセンジャーである。
そして“個人情報保護”という、その閉鎖的方針により麻薬の取引きや、違法性を持つギャンブルサイトへの誘導に使用されるケースが多いという。
韓国では2020年5月、韓国全土を震撼させた、通称“N番部屋事件”でテレグラムが利用されており、ここで未成年者の性搾取動画や画像が流布されたと報じられた。
また犯人が、ジェニーやBLACKPINKメンバー、YGに対して、かなりアグレッシブな挑発を繰り返してきた事にも注目。
これは、“どうせ捕まえられない”という強い自信の表れであり、これを踏まえて韓国国内には居住していないだろうと見ているのだ。
韓国ネットユーザーの予想通り、海外にいるハッキング犯の捜査は難しいものなのだろうか。
この問いに対して、韓国警察のサイバー捜査隊幹部は「犯人が海外にいても、国際共助システムを通して検挙は可能」とコメント。
ただ、ハッキング犯がいる国や国籍によって、韓国の法律で裁く事ができるとは限らないようだ。
ここで、もう1つ疑問が浮上する。
テレグラムでメッセージを発信した“犯人の特定は可能か”という事だ。
上述したように、閉鎖的方針のあるテレグラムから、捜査協力を得る事は難しいとされる。
しかし、前出の幹部は「“N番部屋事件”の事例で分かるように、韓国警察はテレグラム関連事件の捜査に、ノウハウを持っている」と、自信をのぞかせた。
そのノウハウとは、IP情報の特定であり、共助する外国警察に情報提供する事も可能だという。
もちろん、難関はある。
それは、捜査協力による被害者を襲う心理的圧迫。
同幹部は「被害者のハッキング被害を立証するため、携帯電話やクラウドサービスのアカウントなどの資料を提出しなければならない。捜査官が、事件と関連性があると判断した資料は、任意提出を求めるケースがある。この過程が、有名人にとっては心理的負担になるだろう」と語っている。
このような心理的圧迫は、被害者をさらに疲弊させる恐れがあるため、捜査依頼に躊躇するケースが多いようだ。
そういう意味で、今回の捜査依頼には“これ以上の被害拡大を食い止める”という、ジェニーの“覚悟”が感じられる。
(構成:Danmee編集部)