韓国ネットに、aespa(エスパ)がモデルを務めている広告の出演分量を巡り、「メンバー差別だ」という声が上がった。
どうやらその対象は、日本人メンバーのジゼルのようだ。ジゼルの韓国ファンダムは、広告主に対して不満の声を高めている。
9月12日、ツイッターを中心に韓国のオンラインコミュニティーには、ジゼルの“メンバー内差別”を指摘するファンの投稿で溢れ、話題を集めた。
ファンは「あるゲーム広告のジゼルの出演部分は、たった“1秒”だった」と主張。
また「某業者は、(ジゼルに)商品も持たせず、1人で単色の背景の写真をアップロードした」「他の広告でも、ジゼルの出演分量は全くないか、1秒だった」などと、これまで出演した広告でも、差別と思われる扱いを受けていることを訴える。
この議論に対して、ネットユーザーは「所属事務所がアップしたものではないから、仕方ないのでは」「ファンの立場だったら、残念に思うだろうね」「これは企業に抗議しなければ」などの反応を見せた。
ファンにとって〝推し〟の出演分量は重要なもの。メンバーが多いグループでは「今回は〇〇の出番が多い」「〇〇ばかり映っている」など、時にナーバスな話題になることも。
ましてやそれが、他のメンバーよりもあからさまに少ないとなれば、〝メンバー内差別〟を疑問視する声は上がるだろう。
実はジゼルには、過去にも日本ファンが抗議をして、大きな話題になった広告騒動がある。
それは去る5月、aespaとのコラボレーションを発表した、韓国の化粧品メーカーCLIO(クリオ)が、日本公式ツイッターに彼女たちの広告写真を掲載した時のことだ。
この時、なぜかジゼルを除いた3人だけが掲載されるという事態が発生。これにはファンが激怒、抗議するに至った。
するとCLIO側は「ジゼルの画像の広告審議に時間がかかり、4人のコンテンツでのアップデートが遅くなってしまった。CLIOは、aespa全員のメンバーを応援しているので、その点は了承いただきたい」と謝罪文を載せ、改めて4人の写真を投稿。
しかし日本ファンは「なぜ、ジゼルだけが審議に引っかかったのか知りたい」「4人揃った時点で写真を載せるべき」「信用を失った」「もうここのコスメは買わない」「次回は、最初から全員の写真を投稿して」など、企業の対応に苦言を呈すコメントを、相次いでリプライするのだった。
この時の広告騒動のように、特に日本ファンが不満の声を大きく上げるには理由がある。
それは、かねてから日本のファンが目の当たりにしてきた、所属事務所であるSMエンターテインメントの“日本人メンバー冷遇”という経験だ。
aespaの場合はジゼルだが、最近では、NCT 127(エヌシーティーイリチル)のユウタのファンが、抗議の声をあげたことが記憶に新しい。
NCT 127は今年5月、メンバーが夢見た東京ドームでのコンサートを実現させた。
当日は、有料放送チャンネルのWOWOWで国内独占生中継・生配信が行われ、海外ファン向けにBeyond LIVEでも配信されていた。しかし中継では、驚きの事態が発生する。
コンサートのエンディングで、メンバーがゴンドラに乗り、ファンへ名残惜しそうに手を振ったり、お礼の言葉を伝えている時、1人1人がアップで映し出されたものの、なぜかユウタだけが映らずに放送が終了してしまったのだ。
これには、視聴していたファンは驚きを隠せず「母国の日本でこんなことされるなんて」「〝また〟意図的にやったの?」「自国の待遇が適切じゃない」「韓国では大目に見て来たけど、今度ばかりは許せない」などと、SМエンターテインメントへの失望と怒りを噴出させた。
ジゼルの広告出演分量を巡る騒動についても、過去の苦い経験がある日本ファンだけではなく、韓国のファンも“メンバー内差別では”と首をかしげる。
SM所属グループの日韓ファンは、所属事務所の対応にやるせない気持ちを抱えつつ、現在も広告騒動にやきもきしている状況だ。(構成:酒井知亜)