小川直也氏が猪木さんに天国での〝師弟対決〟呼びかけ「準備しておいて下さい」

杉田 康人 杉田 康人
小川直也氏(左)とアントニオ猪木さん=2020年2月20日
小川直也氏(左)とアントニオ猪木さん=2020年2月20日

 アントニオ猪木さんの弟子で、プロレスラー、格闘家としても活躍したバルセロナ五輪柔道男子95キロ超級銀メダリストの小川直也氏(54)が1日、よろず~ニュースの取材に応じた。猪木さんの訃報に触れ「どうしても対戦できなかったことが心残り。今度、そちらで対戦したいので準備しておいてください」と天国の師に呼びかけた。

 小川氏は、新日本プロレスの98年4・4東京ドーム大会で行われた猪木さんの引退試合の相手を決めるトーナメントに出場。決勝でドン・フライにTKO負けし、ファン期待の師弟対決は幻に終わった。「ひとつだけ悔いが残る。試合をやるチャンスがあったのに、夢をかなえられなかった」と残念がった。

 1日朝、訃報を知り「言葉が出なかった。『えっ』って感じだった」と、猪木さんの死をすぐに信じることができなかった。最後に会ったのは、2022年7月。小川氏が神奈川県茅ヶ崎市の小川道場に飾る猪木さんの「道」の詩の垂れ幕に、サインを入れてもらう約束を、2年前からしていたという。

 2020年には字をを書くこともままならなかった猪木さんだったが「闘魂」と書き、弟子との約束を守った。「今度はステーキ食べような。すてーき(素敵)にね」とのアントン・ジョークが、最後の会話になった。

 小川氏は、新日本プロレスの97年4・12東京ドーム大会でデビュー。猪木さんに、闘魂継承の後継者として指名された。同年2月、米ロサンゼルスでの猪木さんとの会話が、マット界に足を踏み入れるきっかけとなった。

 「ロスに呼ばれ、悔いなく柔道をやり切った僕に、たくさんの夢を語ってくれた。今でも猪木さんの言葉は心にしみている。思い出は語り尽くせない。あっちの世界では(ジャイアント)馬場さんと仲良くしてください」と、言葉を絞り出した。

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