「江南スタイル」で世界的旋風を巻き起こしたPSY、10年後はまさかの〝厄年〟 看板タレントの事務所離脱など苦境続く

Danmee Danmee
『LOUD:ラウド』で抜群の話題を放った日本人少年、コウキ(画像出典:SBS LOUD公式Instagram)
『LOUD:ラウド』で抜群の話題を放った日本人少年、コウキ(画像出典:SBS LOUD公式Instagram)

2012年に発表された、PSY(サイ)の『江南(カンナム)スタイル』は“乗馬ダンス”の振り付けがウケて、世界的大ヒットとなった。

『江南スタイル』は、米ビルボードのメインシングルチャート“Hot 100”で、2位という記録を7週連続死守したのをはじめ、ミュージックビデオの再生回数が45億回を突破(2022年9月時点)するなど、数々の快挙を成し遂げた韓国音楽史に残る1曲となった。

発売から記念すべき10周年を迎えた今年、華やかな1年になるかと思いきや、PSYの周りは雑音が絶えない様子だ。

2019年、PSYは所属していたYGエンターテインメントを離れ、自身の手でP NATIONを設立。

設立と同時に、初の所属アーティストとしてJessi(ジェシー)を迎え入れると発表し、その3日後にはヒョナ&DAWN(ドン)と契約したことを報告。“個性”という、アイデンティティーを手に入れた。

新人時代から、破格的な奇抜さを持っていたPSYと、セクシーコンセプトを前面に出したJessi、ヒョナの組み合わせは抜群なケミストリーを発揮し、P NATIONを大いに盛り上げることとなった。

また、Jessiもヒョナ&DAWNカップルも、水を得た魚のように、オリジナリティー溢れる音楽活動を楽しんでいるように見えた。

しかし3人は、P NATIONと再契約をしなかったのである。

何かしらの条件が合わず離れたものと見られるが、看板アーティストとも言えるアーティストの離脱は、P NATIONに危機的状況をもたらせた。

もちろん、ほかにも所属アーティストはいるが、ネームバリューのあるアーティスト不在というのは、致命的とも言えるだろう。

コロナ禍により、開催が制限されていたコンサートが続々と再開される中、夏の風物詩とも言える“ウォーターボムコンサート”に議論が巻き起こってしまった。

“ウォーターボムコンサート”は、観客とアーティストがチームを組んで、水遊びをしながら音楽を楽しむという趣旨のフェスティバル。その際に使用される水量は、数百トンにも及ぶという。

この代表的なコンサートが、PSYの開催する『びっしょりショー』だ。

しかし『びっしょりショー』の開催が告知されていた当時、韓国では干ばつが続き、水不足が深刻に。そのため、大量の水を使用するコンサートに、批判的な意見が向けられてしまう。

さらに、該当コンサートにより新型コロナウイルス感染症が広まってしまったことや、コンサート終了後に解体作業をしていた、20代の作業員が転落死するという悲しい出来事も起きてしまった。

日本でも配信され、K-POPファンの関心を集めた、韓国のオーディション番組『LOUD:ラウド(SBS)』。

JYP代表のパク・ジニョン(J.Y. Park)と、ラッパー兼プロデューサーであるPSYが参加し、次世代スターを見出すプロジェクトだ。

この番組に、当時12歳の日本人コウキが参加しており、抜群の実力を披露。そのポテンシャルが認められ、P NATION初のボーイズグループのデビューメンバーとして抜擢される。

しかしその後、コウキのデビューは白紙に。最たる理由が“若すぎる”というもの。トレーニングやデビュー準備、加えて語学の勉強と、12歳の少年にはあまりにも過酷なスケジュールだと判断されたのだ。

このニュースが報じられると、韓国ネットでは「無責任すぎる」「最初から選抜メンバーに選ばなければよかったのに」「まだ12歳なのにかわいそう」「コウキは客寄せパンダだったね」「コウキの夢を踏みにじった」など、批判の声が多く寄せられることに。

アーティストの事務所離脱、コンサートバッシング、事故、管理議論と、2022年の上半期はPSYにとってネガティブな出来事が多かった。

彼自身に不手際があったというより、彼を取り巻く環境が負のループに陥ってしまっているという印象だ。果たして下半期、PSYはこの事態から抜け出し、巻き返しを図ることができるだろうか。

(構成:星野沙)

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