テスト勉強に励む学生から学び直しで英語と格闘する社会人までを夢中にさせ、書籍ではシリーズ累計数万部のヒットを記録した人気のSNSアカウント「出ない順 試験に出ない英単語」。どこまでもくだらなさを追求し、果てしなく役に立たないシチュエーションから発信される英単語とイラストの数々は、たとえ英語に関心がない読者であっても、クスクスと笑ってしまうはずだ。
作者の中山さん(@NISE_TOEIC)は、映像制作の仕事をしながら、この人気アカウントを運営し、今やTwitterのフォロワー数は驚異の22万人を記録している。そこで今回は、中山さんに取材をお願いし、この人気アカウントが生まれる経緯や創作における工夫について話を聞いた。
教科書に落書きをして友人がクスっと笑う感覚で
中山さんが、このアカウントを開始することになったのは、何気ない「面白そうかな」との考えからだったという。「2010年頃にTwitterアカウントを作ったものの、特に自分のことでつぶやきたいこともなかったので、なんとなく面白そうなことをやってみようと思い、始めてみました。英語学習の息抜きに読んでいただければと思っています」
その思いからスタートしたこのアカウントは、あれよあれよと言う間に注目を集め、書籍はもちろん、フジテレビのネット配信番組とコラボした『金ため英会話』が放送されるなど、ヒット企画として世に知られることになった。
ここまでヒットした理由について中山さんは、「一読して共感していただけるような単純さ、わかりやすさを大切にしています。また、イラストを描いていただいている千野エーさんのクオリティが高く、教科書や参考書のパロディっぽさが出ていて、視覚的にも伝わりやすくなっています」と話してくれた。
また、どのカテゴリーにも属さない特異な笑いを表現し続けるこの作品は、どのようなテーマで創作し続けているのだろうか。「難しい質問ですね(笑)。子どもの頃、教科書に落書きをして遊んだ感覚でやっているので。隣の席の友達を授業中に吹き出させたい、みたいなモチベーションで今もやっています」と、中山さん。
思いがけず注目され、書籍化やテレビ番組とのコラボなど、あらゆるコンテンツに展開されたこの人気アカウント。中山さんは今後、この作品をどのように発展させようと思っているのだろうか。「まずは『試験に出ない英単語』を続けていくこと。ただ、今は例文の取り上げ方に一貫性がないので、シチュエーション別とか、文法別とか、テーマみたいなものを設けてみるのも良いかなと思っています」と教えてくれた。今後も変わること無く、つかの間の休息に一服の笑いを提供し続けてほしいと願うばかりだ。
◆◆中山さんInformation
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