俳優・竹中直人やタレント・大竹まことらと、パフォーマンスユニット「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」を結成していた劇作家の宮沢章夫氏が、12日にうっ血性心不全のため都内の病院で死去していたことが20日、分かった。65歳。所属事務所が公式ツイッターで発表した。
ツイッターでは、宮沢氏の生前の写真とともに文書を掲載。「かねてより入院療養中だった宮沢章夫が、9月12日、うっ血性心不全のため都内の病院で永眠いたしました。65歳でした。ここに生前のご厚誼を深謝し、謹んでご通知申し上げます」と明らかにした。
続けて、「葬儀は先週末に聖イグナチオ教会で執り行いました。秋晴れの下の旅立ちでした」報告。入院中の宮沢のツイートに多くの方々から心を寄せていただいたにもかかわらず、お知らせが遅くなりましたこと深くお詫び申し上げます」と伝えた。
宮沢氏は1985年、大竹まこと、きたろう、斉木しげる、いとうせいこう、竹中直人、中村ゆうじらと「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」を結成し、1989年まで活動。90年には作品ごとに俳優を集めて演劇を上映する劇団「遊園地再生事業団」を結成した。
92年に発表した「ヒネミ」で岸田國士戯曲賞を受賞。2010年には「時間のかかる読書―横光利一『機械』を巡る素晴らしきぐずぐず」で第21回伊藤整文学賞を受賞した。05年から13年3月まで、早稲田大学文学学術院文化構想学部の客員教授を務め、16年4月からは同大学文学学術院文化構想学部教授となった。
所属事務所によると、宮沢氏は数年前に心臓の手術をして以来、健康には不安を抱えていた。ここ1年ほどは検査もかねて治療を続けていたが、8月上旬に体調を崩して入院。その後、体調が急変して帰らぬ人となったという。最近は執筆活動はほぼ行っておらず、大学のゼミの前期授業と採点が〝最後の仕事〟だったとした。